kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



OpenFlowについて

 いま通信業界の一部で盛り上がっている技術にOpenFlowがあります。
 OpenFlowとは、ルータにはパケットフォワーディングだけやらせて、フォワーディングテーブルの設定は別のサーバでやるというものです。テレコムの言葉で言えば、CプレーンとDプレーンを分離するというイメージです。
 もともとOpenFlowはGENIのプロジェクトから生み出されたようです。
 さて、このOpenFlowについて私の関心は、これが何の役に立つのか?です。宛先IPアドレス以外の情報を使ってフォワーディングできるので、柔軟なルーティングができるのは分かるのですが、だからってそれがどう役に立つのか分からないのです。
 現在のOpenFlowの研究は、もっぱらOpenFlowをどう実現するかについて行われており、OpenFlowのニーズについて述べたものがありません。
 うーん、OpenFlowを使ってみたいという人はいませんでしょうか?是非議論したいです。

追記

 日経コミュニケーション 2012年2月号にOpenFlow特集があります。よくまとまっています。しかし、OpenFlowが何の役に立つかはやはりぼんやりとしか書かれていません。取材した中では誰も明確に言えなかったのだと推測します。
 日経コミュニケーションで述べられているOpenFlowの効果について、簡単にまとめておきます。

  • OpenFlowは使われる場所として、データセンターが想定されている
  • 既存技術として、データセンターではVLANが使われている
  • VLANの問題は、VLANの張り替えが面倒なことと、VLAN IDのID空間が狭いこと、である

 これに対して私の印象は、VLANの張り替えが面倒な点に関しては、OpenFlow派は次のように主張しているように感じます。

  • VLANの設定を各スイッチに設定して回ることが面倒さの原因である。
  • これに対してOpenFlowでは各スイッチに設定をコントローラから一括して行うことができるので、設定が面倒という問題を解決している。

 これに対して、私は、VLANだってSNMPマネージャから各スイッチに一括設定できるので、本質的な違いではないと感じます。

 次に、VLAN IDのID空間が狭い点について、OpenFlow派は次のように主張しているように感じます。

  • VLAN IDは最大4096個しかない、4096という数はデータセンターには少なすぎる
  • OpenFlowではスライスが設けられるので、VLAN IDの数の問題はなくなる。

 これに対して、私は、スライスを分ける機能とVLANを扱う機能の両方を有するスイッチは、OpenFlow識別子とVLAN IDの両方を識別してフォワーディングテーブルを引く必要があるので、ハードウエア的な負担が大きい。むしろVLAN IDの数を増やした方が、ハードウエア的には楽です。よって、この点においてOpenFlowのメリットはないと思うのです。
 そういえば、昔NECはEther over EtherでVLAN IDの数を増やすという検討をしいたと思うのですが、いまどうなってるのでしょう?