「Three Cups of Tea 一杯目はよそ者、二杯目はお客、三杯目は家族」は、すがすがしい気持ちの良い話だ。
パキスタンにあるイスラム教徒の村々に学校を建てるアメリカ人のストーリである。
パキスタン、アフガニスタンという国名を聞いて、あなたはどんなイメージを持っているだろうか?あるいは、イスラム教徒と聞いて、何を想像するだろうか?
パキスタンは、核保有国だ。アフガニスタンからパキスタンにまたがる地域はは、イスラム原理主義組織タリバンが活動している。かつてアメリカの貿易センタービルに航空機を突っ込ませるテロを行ったとされるオサマビンラディンをかくまったのは、タリバンだった。
パキスタン、アフガニスタンは、このように色々と物騒な話で有名になっている。
しかしながら、この地域に住む人々のすべてが物騒と言う訳ではない。「ファスト&スロー」でダニエル・カーネマン(ノーベル経済学賞受賞者)が言っているように、ある組織の典型的な人物でその組織を代表させて考えてしまう。すなわち、ステレオタイプの見方をしてしまうものだ。
私たちはそれぞれのカテゴリーを、一つか二つの「よくある」メンバーで代表させる。カテゴリーを社会的に見た時、この代表メンバーをステレオタイプと呼ぶ。ステレオタイプの中にまったくの誤解に基づく有害なものがあり、敵意のあるステレオタイプ化はおぞましい結果を引き起こすこともある。
本書を読むと、パキスタン、アフガニスタン、イスラム教に対して、我々が僅かな知識しか持たず、それゆえ、ステレオタイプに縛られていることに気づくことができる。また、何故この地域で紛争が絶えないのか、その真因も感じ取ることができる。
ステレオタイプを打破するには、知識が必要なのである。
関連エントリ
スリー・カップス・オブ・ティー (Sanctuary books)
- 作者: グレッグ・モーテンソン,デイヴィッド・オリバー・レーリン,藤村奈緒美
- 出版社/メーカー: サンクチュアリパプリッシング
- 発売日: 2010/03/25
- メディア: ペーパーバック
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