バラ栽培をアップデート
バラ栽培のセオリーは愛好家の工夫と経験に基づいて得られた貴重なものですが、科学的な知見に基づかないものも多いです。一方、野菜や果樹といった商業植物に対しては、大学の農学部などで研究が進んでおり、高度な測定器を用いて根の養分の吸収量や養分の蓄積場所など明らかになっています。そのため、バラ栽培の手法は、農業の知見を参考にしてアップデートできます。
寒肥の時期
さて、皆さんは、地植えのバラの寒肥を、いつ与えていますでしょうか? 一般に、1月から2月に与えるとしている情報が多いです。例えば、京成バラ園のホームページでもそう書かれています。【肥料 - 基本的な育て方 - バラの基本的な育て方 - 京成バラ園芸株式会社】
何故、この時期なのでしょうか?1月から2月と言えば、休眠期ですからバラは寒肥の肥料分を吸いません。さらに、有機肥料を与えた場合は、冬は微生物の動きも悪いため、与えた有機肥料は分解されずらく、土に栄養分(窒素・リン酸・カリウム成分)が染み出しづらいです。
こういったことから、私は、3月になり暖かくなって、バラの根が動き出したときに肥料分が土中にあるよう予め準備しておくというのが、寒肥の狙いだと考えています。
第2の寒肥
一方で、落葉果樹に対しては、晩秋に寒肥を与え休眠前に株を充実させるという考え方があります。一言で「寒肥」といっても、上述の寒肥とは狙いが異なります。
さて、晩秋にバラに寒肥を与えるのは、良い結果になるでしょうか?それとも悪い結果になるでしょうか? 分からないので実験してみようと思います。
実験
地植えをしているバラの株に本日(2024年11月22日)寒肥を施します。この時期のバラは葉も茂っており根も動いていますから、肥料を土に埋めることはせず表面にばら撒きます。肥料の量は、メーカー指定の量としました。使用した肥料は、東商の超発酵油かすおまかせ。少し高価ですが、評判が良いためこの一年私も使っているものです。
まとめ
寒肥には、晩秋に与えるものと晩冬に与えるもの2種類あり、それぞれに狙いが異なると考えます。バラ栽培では晩秋の寒肥はあまり知られていませんが、実験として、地植えのバラに与えることにしました。
(冒頭の画像はAI(Microsoft Designer)にて生成)