kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



EOS Kiss X50のコストパフォーマンスは異常に高い可能性がある

 最近のデジタルカメラの業界では、オリンパス XZ-1・富士フィルムFinePix X10・リコーGR Digitalのような高級コンパクトデジカメと、パナソニックDMC-GF2・オリンパスLite E-PL1ソニーα NEX-5Dのようなミラーレス一眼カメラが流行している。これは、コンパクトデジタルカメラでは画質が物足りないが、だからといってデジタル一眼レフカメラを持ち歩くのは面倒というユーザを狙っているのだ。
 デジタルカメラは、レンズと撮像素子が物理的に大きいほど綺麗な画質の写真を撮りやすい。そのため、カメラの画質と携帯性はトレードオフの関係になる(下の図を見て欲しい)。そして、コンパクトデジカメとデジタル一眼レフカメラの間を狙っているのが、高級コンパクトデジカメとミラーレス一眼カメラなのだ。


 さて、キヤノンEOS Kiss X50を2011年3月下旬に発売する。このX50は中々面白い位置づけになっている。X50の仕様はすごく基本的なものになっていて、ボディ価格は4.4万円と超廉価版である*1。X50を持ち歩く手間をかけるならば、高級コンパクトデジカメの方が良いんじゃないかと思うほどである。
 私は、X50はキヤノンが初心者ユーザをデジタル一眼レフカメラに誘導するための戦略商品だと思っている。デジタル一眼レフカメラは、カメラ本体よりもレンズの資産性が高い。つまり、カメラ本体は2,3年も経てば時代遅れの性能になるが、レンズは長く使える(その分高価)。ユーザは、一度X50のためにレンズを買えば、そのレンズを使い続けるためにはキヤノンのカメラを買い続けるしかない*2。このように、Kiss X50は顧客囲い込みのための戦略商品である可能性が高い。だとすれば、キヤノンはKiss X50を儲け度外視で売ることを考えている筈で、その場合Kiss X50のコストパフォーマンスは非常に高いと考えられる。

*1:まだ発売日にもなっていないのに驚異的な低価格である。発売後半年位経って価格が落ち着いた頃にはいくらになっているんだろうか?

*2:デジタル一眼カメラというのは、レンズで顧客を囲い込む業態なのである。