kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



多様化する学会

 コンテンツを整理するフレームワークに、次の3軸の空間にコンテンツをマッピングするというものがあります。

  • ストック vs フロー
  • 参加性 vs 権威性
  • リニア vs ノンリニア

 ストック型コンテンツとは、時間がたっても価値が変わらない賞味期限の長いコンテンツ(例えば、辞書)のことを指し、フロー型コンテンツとは賞味期限の短いコンテンツ(例えば、twitterでのつぶやき)を指します。次に、参加性型コンテンツとは、そのコンテンツの作成に誰もが参加できるコンテンツ(例えば、Wikipedia)を指し、権威性型コンテンツとは、コンテンツ作成に参加するために何らかの資格が必要なコンテンツ(例えば、新聞)を指します。最後にリニア型コンテンツとは、視聴する際にコンテンツ作成者の意図通りに視聴するコンテンツ(例えば、TV放送)を指し、ノンリニア型コンテンツとは視聴者側で飛ばし読みなどができるコンテンツ(例えば、雑誌)を指します。

 従来学会というのは、ストック&権威性型のコンテンツを生成するメディアでした。かつては、研究者の活動の場が学会にしかなかったため、ストック&権威性型の研究活動が行われていたわけです。ところが、最近は勉強会と称する活動や、ゆるい学会活動が行われるようになってきています。これらはフロー&参加性型のコンテンツを生成するメディアとなっています。
 ストック&権威性 vs フロー&参加性のどちらが良いという話ではなく、研究者の活動の場が多様化してきているというのが大切だと思っています。場によって活動の結果得られるリターンが異なるはずですが、新しく出現したフロー&参加性の場でのリターンが未だ整理できていない状態だと思います。
 私なりの感触では、フロー&参加性の場はやはりブログに似ているように思います。つまり、独自の切り口で情報発信する人間と、その情報を消費する人間に二分化されるということです。こう考えると、情報発信する側は、柔らかいアイデアを発表しフィードバックを得る場として活用し、情報を消費する側は、旬の情報を得る場として活用するというのが、落ち着く先のように思います。
 一方、旬の情報を得るという点では、F2Fミーティングは効率が悪いですから、この効率をどう上げていくかがフロー&参加性の場の課題と言えるかもしれません。

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