kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



犯罪を犯す前に裁かれる社会:アニメ『PSYCHO-PASSサイコパス』

psycho-pass.com

 

 久しぶりにアニメ『PSYCHO-PASSサイコパス』を観た。犯罪者は犯罪を犯す前に裁かれる社会のお話だ。

 

 シビラシステムにより人の精神状態は高精度に判定され、人は”犯罪係数”を算出される。犯罪係数の高い人間は潜在犯と呼ばれ、隔離施設に収容される。つまり、シビラシステムにより犯罪を犯す可能性が高いと判定されれば、実際に犯罪を犯していなくても監獄にいれられる。

 

 罪と罰。罪を犯したから罰を受ける。この単純な構図が崩れた世界は異様だ。罪を犯す前に罰を受けるのは何故だろうかと、考えずにはいられない。『PSYCHO-PASSサイコパス』では、安全で快適な社会を維持するためということになっているが、犯罪係数が閾値(例えば100)を超えるか否かで罪を受けることが決まるのは、乱暴な話に思えるが、人間の精神状態はアナログ値だからどこかで閾値を決めるのは、現実の社会でもありそうで、それだけにグロテスクだ。

 

 アニメから現実社会に目を戻しても、犯罪者は再犯率が高いため刑期を終えても監視が必要だという理屈はある。例えば、【GPSによる「性犯罪者の終生監視」を義務づける州が増加 | WIRED.jp】や【わいせつ教員に再び免許を与えてはいけない 専門家が語る再発防止治療の難しさ 性犯罪の「再犯率」と「依存性」|FNNプライムオンライン】。

 これらの議論を、再犯を犯す前に裁かれる社会を望む声と捉えるべきか、初犯の罪を重くすることを望む声と捉えるべきか等々、考え方は様々だろう。

 

 アニメ『PSYCHO-PASSサイコパス』が持ち込んだ”犯罪係数”という概念は、思考実験の秀逸な題材だ。