宮台信司の「日本の難点」を読んだ。この本を読むことを私は他者に勧めない。私の頭ではこの本に書いてあることが殆ど理解できず、この本を評価できないためである。理解できない理由は主に二つ。
- 筆者独自の用語が多用されている
- 主張の根拠として示される引用が(一般人にとって)一般的でない
しかしながら、近年歯ごたえのある硬い本が少ない中で、この本はその難解さ故に光を放つ。分からないながらも、私の心に引っかかった部分は以下である。
- 「幸せ」が分かりづらくなっている
- 格人が誰に承認されたいのか(平たく言えば褒められたいのか)、何を褒められたいのかがポストモダンな現代は分かりづらい。
- 社会がカッコよいとするものに価値基準を合わせがちであるが、そこに幸せがあるわけではない。
- 環境問題は政治問題である
この本が書いてあることが正しいとは思わないが(分からないが)、理系馬鹿な私に新しい視点を提供することは確かであると思う。そして、視点の多さを教養と呼ぶのだと思う。
- 作者: 宮台真司
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/04/01
- メディア: 新書
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