kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



絶望から出発しよう

 宮台信司の「日本の難点」を読んだ(http://d.hatena.ne.jp/kota2009/20090830/1251591556)がよくわからないため、同氏の「絶望から出発しよう」も読んでみた。よくわからないのは同様であるが、以下の点が心に引っかかった。

  • メディアイメージで煽られる中でチャンスが少ない地方都市で「道徳的な家族」を演じるのはしんどい
    • 以前「自分へのご褒美」という言葉とともに、小洒落たマンションを買う・アクセサリを買う・レストランに行くことをマスコミは煽ったが、地方都市ではそういったチャンスがない(本当は東京でもチャンスはないんだけど。。)。そんな中で「道徳的な人間」を演じるのは難しいということであろう。
  • 内(道徳)と外(倫理)の二重構造
    • 共同体の中では人の目に敏感であるが、共同体の外の人の目には鈍感である という意識構造が日本人には見られる。こんな中で、女子高生は、友達数人を共同体とし、それ以外を共同体の外と認識している。この構造を理解すると彼ら・彼女らを理解できる。
  • 歴史に学ぶとは、英雄列伝を読むことではなく、歴史の転換点においてそのときに採りうる客観的な選択肢を列挙し、為政者がなぜその選択肢を選択したのかという主観的判断の分析をすることである。
  • 弱者のアイデンティティは、それが強者になったとき失うという矛盾
    • 昔は賃上げで存在感を示した労働組合が、現在は論争ポイントを失い、存在感を失っているのと同じことか。。
  • 人間は、かけがえのない存在になることを望むが、そんな存在は無く、必ず交換可能な存在であるという事実に、絶望がある。
    • 以前、「オンリーワンになる」という掛け声がありましたが、「オンリーワン」とはかくかくしかじかと定義すると、その定義に合う人間は多数ある。そのため「オンリーワン」というものは存在しえない、というのが例かな。

「かけがえのない存在」になりたいという人間の渇望は、重要なポイントであろう。誰に対して「かけがえないのか」、どうして「かけがえないのか」、ここをよく考えないと同じところをくるくる回ることになる。

絶望から出発しよう (That’s Japan)

絶望から出発しよう (That’s Japan)