ネットを見ていると、ニコンの3Dトラッキングの使い方が今ひとつ分からないという口コミを見かけることがあります*1。実際使ってみればすぐ分かるし便利な機能なので、もったいないなと思います。そこで、D90の3Dトラッキング機能について記してみます。
通常、撮影を行う際の手順は、以下だと思います。
- 真ん中のフォーカスポイントで被写体を捉えて、シャッターボタンを半押ししオートフォーカスでピントを合わせる
- シャッターボタンを半押しのまま(つまりフォーカスロックしたまま)カメラの角度を少し変えて構図を決める(フォーカスロックの説明は例えば次のリンクを見てください。 http://digicame.side-e.jp/htm2/218/)
さて、考えてみましょう。ここで被写体が前に動いてきたらどうします? フォーカスポイントは既に被写体から外れていますので、ピントを再度合わせるためにはまた上の手順を踏むことになります。これでは、動く被写体に対して連写ができないことになります(逆に言うと連写の間シャッターボタンを押しっぱなしにするため、被写体が前後に動いてもピント位置が変わらない)。
そこで、3Dトラッキングの出番です。3Dトラッキングを使うと、次のように撮影できます。
- 真ん中のフォーカスポイントで被写体を捉えて、シャッターボタンを半押ししオートフォーカスでピントを合わせる。
- シャッターボタンを半押しのまま(つまりフォーカスロックしたまま)カメラの角度を少し変えて構図を決める。すると、有効なフォーカスポイントが画面真ん中から被写体の上のフォーカスポイントに移動します*2。つまりカメラの角度を変えても有効なフォーカスポイントは常に被写体を追いかけ続ける。
- 被写体が前に移動しても、AF-C機能でオートフォーカスが常に被写体にピントを合わせ続ける。
私は、結婚式で新婦が父親とバージンロードを歩いてくるとき、3Dトラッキングの便利さを実感しました*3。新婦を画面真ん中に置いたり、端に置いて背景の人間をぼかしていれたりしても、D90は常に歩いてくる新婦にピントを合わせ続けます。
最後にカメラの設定を紹介します。次のようにカメラを設定してください。
3Dトラッキング機能はとっつきにくい名前ですが、使える機能ですので、是非一度試してみては如何でしょう。