経済力の大きさから、何かと話題になる中国。そのGDPは日本を抜いて世界第2位である。また、南シナ海での人工島の建設や、尖閣諸島における日本との摩擦もあり、中国の報道は連日行われている。
しかし、中国政府による報道統制もあり、中国の本当の姿は中々見えてこない。そんな中国の実態に迫ったのが、本書である。
という国の危うさを一言で言うと。
だが、中国共産党政権の強さが一党独裁ならば、その弱さも同じく一党独裁である。選挙民の意向も気にする必要がなく、メディアや野党による批判も許さない。こうした無敵の支配体制は、どうしようもなく内部から腐敗していく宿命にある。
また、経済的な危うさを、以下のように指摘している。
他国が財政支出で景気浮揚を図ろうとしたのに対し、中国は、銀行の新規融資で高成長を維持して景気を刺激した。(中略)
その結果、金融機関の不良債権が膨れ上がった。
例えば、日本では国債を発行してそれで得た金で政府は公共投資を行った(財政支出)。それに対して、中国政府の景気刺激策は、銀行からの融資を元に行われているという指摘だ。このような銀行融資を元にした経済刺激は、容易にバブルとなり、例えば土地の下落をきっかけにたやすく破綻する。これが中国経済の危うさである。
このように中国には、政治腐敗の危うさと、バブル崩壊による経済の危うさがある。
中国 目覚めた民衆 習近平体制と日中関係のゆくえ (NHK出版新書)
- 作者: 興梠一郎
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2013/01/09
- メディア: 新書
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