欧米の正規社員と日本の正規社員は違う、というお話です。
最近、正規社員と非正規社員の賃金格差が問題視されています。なぜ問題視されるようになったか?というと、
- 以前は、非正規社員と言えばパートの主婦がほとんどでした。また、その夫は正規社員として働いていました。そのため、非正規社員の収入は、世帯の補助的なものでした。それが段々と独身一人暮らしなのに非正規社員という世帯が増えてきており、生活の苦しい世帯が増えているため。
- 欧米の正規社員と非正規社員の賃金格差は、日本のそれよりも差が小さいことが知られるようになったため。
ここで、後者について考えましょう。そもそも、正規社員ってなんでしょう?
日経新聞 1/30日の朝刊「経済教室 「同一賃金」指針案どうみる 非正規の技能向上を阻害も 」によると、日本では(1)1直接雇用され、(2)無期契約で、(3)フルタイム労働している社員を、正規社員と呼んでいます。一方、欧米ではこの3条件を満たさない人も正規社員と呼ばれます。例えば、フルタイム労働していない人も正規社員です。働き方の自由度が高い分だけ、3条件を満たす社員よりも、彼らは正規社員でも賃金は低いのです。
つまり、日本の正規社員と欧米の正規社員は、定義が異なるのです。異なるものを同じように比較すると間違えます。