kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



平等って難しい

 日本の女性の賃金は男性より25%も低い*1。この男女差は平等なのでしょうか?他にも不平等と言われるものは多数あります。

 では、「平等」とは、どこまで平等にできるものなのでしょうね。

 『これからの「正義」の話をしよう(マイケル・サンデル)』には、哲学者ジョン・ロールズの考える平等について、記されています。

 まず、貴族社会を考えてみましょう。生まれた時点で貴族や平民というように身分の決まる貴族社会は平等とは言えないでしょう。次に、自由市場社会(努力し競争する権利が認められている社会)を考えると、これも生まれた家庭の裕福さや教育熱心さなどの才能を伸ばす環境が偶然によって決まる(いわゆる親ガチャ)ため平等とは言えません。さらに、教育の機会を政府が保証する実力社会を考えても、才能は遺伝子で決まるため平等とは言えないでしょう。

 日本人は努力が好きで「やればできる」「夢は必ずかなう」などと言いがちですが、生まれつきの遺伝子で決まる才能が成功を決めることが分かってきています*2。また、持って生まれた才能が、その社会で儲けに役立つかも偶然に左右されます。例えば、戦国時代なら力の強さという才能が役に立ち、現代社会では論理的思考という才能が多くの報酬を得るのに役立ちます。

 

 持って生まれた才能と社会の需要のマッチングで報酬が決まることを考えると、

つまりこんにちの社会で、自分の才能から利益を得る権利を与えられているからと言って、自分の得意分野が評価してもらえる社会にいることを当然と思うのは誤りであり、うぬぼれでもあるのだ。

という部分がささります。つまり、自分の稼ぎと自分の価値は無関係なんです。