kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



非正規雇用の原因は、終身雇用制度である

 非正規雇用の社員について話題になることが多い。例えば『「非正規雇用」の現状と課題』(厚生労働省)によると、以下のように述べられています。

非正規雇用には、雇用が不安定、賃金が低い、能力開発機会が乏しい、セーフティネットが不十分等の課題があります。

 
 上のような課題分析には、正規雇用との比較が前提となっています。つまり、「非正規雇用には、(正規雇用と比べて)雇用が不安定、賃金が低い、能力開発機会が乏しい、セーフティネットが不十分等の課題があります。」ということです。
 
 まず、非正規雇用 vs 正規雇用という対立構図を前提した議論は正しいのでしょうか?そもそも、正規雇用ってなんでしょう?
 
 実は、正規雇用とは日本独特な制度なのです。日本の会社は、法律に従って終身雇用を行います。そのため、一度入社すると定年までその会社に雇用され続けます。つまり、定年や正規雇用は、日本独自の正規雇用制度によるものなのです。
 正規雇用と対比される非正規雇用も、日本の終身雇用制度によるものと言えます。
 
 そのため、非正規雇用の問題の根を断つために、本質的には、終身雇用制度をやめるのが必要です。
 終身雇用制度をやめるには、法律を変えて、企業が一度雇用した社員を解雇できるようにする必要があります。こんな法律の改正を行うことは、政治家にとって命取りになるため、実施ないでしょう。
 終身雇用制度という問題の根っこを解決せずに、非正規雇用の問題を議論しても、小手先の解決策しか得られないでしょう。だとすると、非正規雇用の問題は、永遠の課題として議論され続けることになりそうです。