『平均年収186万円、日本に現れた新たな「下層階級」』、こんな見出しを見ると記事の中身を読みたくなりますよね。「平均年収186万円」という数字が書いてあるため、本当らしく見えるのです。
でも中を見ると、この記事には平均年収をどうやって計算したのか書いてありません。
ただの煽りでしょうね。
このように、もっともらしい数字を使ってウソをつく人はたくさんいます。こういうのに引っかかっるのは、悔しい。自分の主張に合うようにワザと間違った数字を使うのは悪意です。タチが悪いのは、悪意のある記事がネットで拡散されていくことで、悪意が拡散されていきます。上の記事にはたくさんのブックマークがついており、記事に完全にノセられているものもあります。
格差なんて生易しいものでなく、階級の出現
次に別の例です。日本新聞協会が2017年に主催したコンテストで入賞したポスター「動物愛護先進国に生まれ変わろう。」をみて下さい。
日本ってひどい国だ、って思いますよね?
これも統計のウソです。野良犬を街でみつけると、日本は捕まえて施設に連れて行き殺処分しますが、ドイツは野良犬を街で(施設に連れて行かずに)駆除することが認められています。
つまり、統計の取り方が違うのです。
これも、ポスターの主張に合わせて都合の良い統計を持ってきた例です。
このように、統計でウソをつく記事がネットだけでなくマスコミ・政治に溢れています。こういったウソがどんな感じでつかれるかを幅広く紹介している本が『「社会調査のウソーリサーチ・リテラシーのすすめ』(文春新書)
著者は、喧嘩上等で、多くの社会調査を実名で批判しており、なかなか過激な内容です。
この本は少々過激な内容である。多くの社会調査が実名で批判されており、その数は50以上に上る。ちなみに実名で批判した人々には、反論があればお答えすることを約束する。
「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)
- 作者: 谷岡一郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2000/06/01
- メディア: 新書
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まとめ
ネット記事を見ていると、人気を集めるために数字を使うものがあります。ただ、この数字にウソのあるものは結構多い。こういったウソに引っかかるのは悔しいよね。
どういったウソのつきかたがあるか、 『「社会調査のウソーリサーチ・リテラシーのすすめ』(文春新書)に書いてあり、ネットの情報との賢い付き合い方が分かります。わざ騙されたふりをするのもよし、やんわり指摘してあげるのも良しです。
あなたもウソを見破りましょう。