kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



分かる人教えて!!美術展で展示を説明する文章が難しい

 美術館の展示の説明が分かりづらいのは、なぜだろう?

 展示の説明が分かりづらい説明の分かる方に教えてもらいたい。また、下の「風景論以後」の説明文の言わんとすることを分かる方にも内容を教えてもらいたい。

 

 「風景論以後」( 東京都写真美術館)という展示を観に行った。面白かったのだけど、不思議に思うことがありました。説明が分かりづらいことです。展示全体や各コーナーに解説が書かれている文章が分かりづらい。例えば、本展示のホームページには次の説明文が記されています。

風景は、初期ルネサンスに遡る風景絵画に代表されるように、芸術や美と結び付けて語られ、西洋の近代芸術の主題となってきました。また明治維新後の日本においては、その概念が近代化の過程において大きな役割を果たしてきました。他方で、カメラの眼からみた撮影者の視点をうつしだすという意味で、写真映像という視覚芸術において、風景はそのメディアの起源から現在まで常に重要な主題でした。そして「風景は何か」を問いかける風景論は、常に社会的構造や美的基盤の在り方を語り、不安な時代や社会状況を契機として登場してきました。どこにでもある風景を現実の側からとらえ直す、視覚芸術を通じて、文化、社会、政治との関係から風景を表現していくそのラディカルな方法は、1970年前後の写真家、映像作家に大きな影響を与えました。 本展では、こうした風景論をめぐる日本の写真映像表現を、当時の資料を交えて歴史的に再考するとともに、今日の現代作家にいたるまでの写真映像と風景の変容を、コレクションを中心に包括的に検証いたします。 また1階ホールで、出品作家による関連イヴェントおよび風景論をめぐる映画上映を行い、展覧会の魅力を多角的に紹介していきます。

 

 私はこの説明が殆ど分かりません。

 第一文は分かります。「風景は、初期ルネサンスに遡る風景絵画に代表されるように、芸術や美と結び付けて語られ、西洋の近代芸術の主題となってきました。」は、

  • 風景は、美と結び付けて語られた
  • 風景は、西洋の近代芸術の主題となってきた

でしょう。

 第二文は難解です。「また明治維新後の日本においては、その概念が近代化の過程において大きな役割を果たしてきました。」は

  • その概念が大きな役割を果たした

だと思いますが、「その概念」と「役割を果たした」が分かりません。特に「役割を果たした」は何の役割を果たしたのか読み取れません。

 第三文「他方で、カメラの眼からみた撮影者の視点をうつしだすという意味で、写真映像という視覚芸術において、風景はそのメディアの起源から現在まで常に重要な主題でした。」は、

  • 写真映像(photograh と movie)にとって、風景は重要な主題だった

でしょう。

 第四文「そして「風景は何か」を問いかける風景論は、常に社会的構造や美的基盤の在り方を語り、不安な時代や社会状況を契機として登場してきました。」は難解です。この文の構造は、

  • 風景論とは「風景は何か」を問いかけるものである
  • 風景論は、社会的構造を語る
  • 風景論は、美的基盤の在り方を語る
  • 風景論は、不安な社会状況を契機として登場してきました

でしょう。しかし「風景論は、社会的構造を語る」部分は、何の社会的構造を語っているのか不明です。また、美的基盤の在り方を語る風景論が、なぜ不安な社会状況を契機として登場したのかも不明です。

 第五文「どこにでもある風景を現実の側からとらえ直す、視覚芸術を通じて、文化、社会、政治との関係から風景を表現していくそのラディカルな方法は、1970年前後の写真家、映像作家に大きな影響を与えました。 」も難解です。この文の構造は、

  • 方法は、ラディカルである
  • 方法は、文化・社会・政治との関係から風景を表現する
  • 方法は、写真家と映像作家に影響を与えた

でしょう。この文では、「方法」が何か不明です。

 第六文「本展では、こうした風景論をめぐる日本の写真映像表現を、当時の資料を交えて歴史的に再考するとともに、今日の現代作家にいたるまでの写真映像と風景の変容を、コレクションを中心に包括的に検証いたします。」の内容は以下でしょう。

  • 本展では、写真映像表現を再考する
  • 本展では、現代作家にいたるまでの写真映像と風景の変容を、検証いたします

ここで「検証いたします」とあるので、何か仮説があってそれが正しいことを検証したという意味だと思いますが、主催者の立てた仮説が不明です。また、実際に展示を見たところ「再考」や「検証」した結果が示されていないように思います。

 

 私の理解できる範囲をつなぎ合わせると、全体では「西洋では、風景は、美と結び付けて語られ、近代芸術(絵画)の主題となってきた。写真においても、風景は主題であった。風景論は写真家や映像作家に影響を与えた。」が、分かった内容です。少ない。。

 

まとめ

 「風景論以後」と言う展示を見に行きました。展示自体は面白かったのですが、説明文が難解なのが不思議です。分かる方に是非教えていただきたい。