kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



サピエンス全史をざっくりまとめる

 

 サピエンス全史を繰り返し読んでいる。世界のリーダー、ビルゲイツオバマ元大統領などが好んで読んだというだけあって、骨太で面白い。

 サピエンス全史のまとめを、ブログに書こうとして何度もトライしたのですが、その骨太さゆえにまとめられませんでした。繰り返し読んでいるうちになんとか書ける気がしてきました。

 

 この本の趣旨は、二つ。

  • 人類(サピエンス)が、地球上で繁栄できているのは、虚構を信じる力のおかげである。
  • 人類は、農業や科学のおかげで繁栄してきたが、それは種として人数が増えたという意味での反映であり、個々人の幸せはむしろ減っている。

 

 ここでいう虚構とは、人間が勝手に作った仕組みや信条、イデオロギーのこと。例えば、宗教、貨幣、資本主義など。

 人権なんていうのも虚構。虚構は自己矛盾を抱えるものも多い。例えば、人間は自由と平等であるべき、というのもそう。個々人の事由は、他人の平等を脅かす。逆に平等を実現するには、個々人の事由を制限する必要がある。

 虚構の中で一番興味深いのは、現代社会は成長するという虚構を信じている、というもの。経済は成長する、人は向上する、昨日より明日はよくなっていく。そんな虚構を信じ始めたのは15世紀くらいから。それ以前の人々は、昨日も明日も同じという意識だった。この成長するという虚構を作ったのは、実は科学。科学に投資すれば大きなリターンを得る時代が最近まで続いた。これにより、人類は、頑張れば成長すると信じるようになった。

 

 虚構の力を使って人類は地球を支配している。しかし、種としての人類は成功しているが、個々人は幸せになったとは言えない。世界の人口は急速に増え、人口は70億人になろうとしている。これは種としての成功を意味する。しかし、個々人の生活を比べれば、労働時間は昔よりもずいぶん増えている。大昔の狩猟時代は、一日3時間も働けば後は遊んで暮らせた。いまは、会社で10時間働き、家に帰って家事を3時間する。個人の生活は幸せになったとは言えない。

 

まとめ

 本書は、二つの趣旨を様々な角度から説明している。

 この本を読むことで、自分がいかに多くの虚構に縛られているか気づくことができる。そして、その虚構は自分を幸せにしているとは限らないことにも気づくことができる。

 例えば、自己肯定感や承認欲求など、自分の価値にこだわる性質が人類にはある。これは、遺伝子に組み込まれた本能ではなく、虚構によるものなのだろう。