kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



結果ではなく動機が大切

 自由市場が大好きという人たちがいます。成人が自由意思に基づき契約したならば、そこに問題はないと考える人たちです。

 例えば、ブラビアアイドルが水着撮影の仕事なんて本当はやりたくなかった、と語った時に、嫌なら契約しなければ良いという声がネットにあがったりします。一方で、水着撮影の仕事は、形式上自由意思に基づき契約されたとしても、やっぱりそれは可哀想だという声もネットにあがります。

 本『これからの「正義」の話をしよう  (マイケル・サンデル)』を読むと、「真の自由」について書かれてあり、面白い。この本のなかで、「自由とは何か」に関するイマヌエル・カントの考えが記されています。

 われわれは自由を、何にも妨げられずに、したいことをすることだと考えがちですが、カントの考えは違います。カントの自由の概念は、もっと厳しく要求が多い。自由に行動するというのは、ある目的を達成するための最善の手段を選ぶことではありません。 例えば、夜ご飯のメニューを選んでいるとしよう。ラーメンにしようか、それともトンカツにしようかと。空腹を満たす目的の手段としてメニューを選択していますが、目的(空腹を満たす)を自由に選んでいるわけではありません。他から目的を押し付けられている、例えば生きるためとか欲求を満たすためとか、場合には、人は自由ではない、とカントは考えた。

 

 「情けは人のためにあらず」とは、他人に親切にするとそれが回りまわって自分が親切にされる、という格言です。カント流に考えれば、他人に親切にする目的が自分が親切にされるため、ということになりますので、これは自由な行動とは言えないでしょうい。