kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



培養土:もみ殻燻炭の効果検討

 園芸の土にもみ殻燻炭を入れること合がありますが、もみ殻燻炭の効果は何だろうかとわからない状況です。

 先日、植物の鉢増しのために土をブレンドした際、もみ殻燻炭を加えましたが、自分でも、これは何のために入れているのかよくわからないまま作業していました。ネットで調べると、以下の情報を見つけることができます。

  • 無数の穴が開いているので微生物の住処になる
  • 悪い物質を吸着する作用がある
  • 水はけが良くなる

 しかし、そのどれもが科学的な証拠がなく、噂の域を出ません。そこで、プロ農家向けの本を探して、「炭とことん活用読本」という本を読んでみました。出版が農山漁村文化協会というところがプロ向けっぽい。

 

 内容を簡単に記すと、以下の通りです。

  • 何か良い効果はあるが、その理由は明確ではない
  • その良い効果のあった事例はあるが、一般には広まっていない。

2番目の良い効果のあった事例として、以下が記載されていました。

  • 育苗ポットの底にもみ殻燻炭を敷いて、その上に培養土をいれて苗を育てると、根張りが良い。

これも、比較実験の結果が1苗であったため、偶然である可能性が否定できません。また、作物の種類も1種類なので汎用性があるかどうかも不明です。

 

 もみ殻燻炭の効果を、実験計画法を使って統計的に調べた研究はないものかと、論文を探してみると、「籾殻くん炭の処理お よび利用(三重大学)」がみつかった。これによると、ガーベラに対してはもみ殻燻炭を入れても生育促進の効果はない。

 一方で、「籾殻燻炭により増殖が促進される微生物の研究(近畿大学)」では、土壌の物理性や化学性ではなく、微生物性に焦点を当てています。

土壌への燻炭の施用は微量元素の供給源や土壌pHの調整剤となること、また土壌の物理性の改善を行うことで植物生長を促進することが知られている(Jien et al. 2015,Smebye et al. 2016,Abrishamkesh et al. 2016)。しかしながら上述のように土壌中には植物生長促進に関わる微生物が存在している。そのため燻炭による作物の生長促進の要因の一つには、土壌中の有用微生物の活性化が含まれているのではないかと考えた。

しかし、この論文が書かれた2020年で、微生物性に対する改善効果はまだ仮説段階です。

 

まとめ

 園芸培土にもみ殻燻炭を入れると、植物が良く育つかを調べた。プロ農家向けの書籍と論文を調べた結果、何らかの効果があるものの、その詳細は不明であるというのが本当のところに思えます。

 科学的に立証されていないとしても、経験則に基づく効果的な手法も重要です。コストが許せばもみ殻燻炭の使用を検討する価値があるでしょう。