植物を育てるときに必ず必要になるのが、肥料。この肥料について知っていることは少ない。
肥料は規定量あげる、肥料にはN(窒素)P(リン)K(カリ)の3種類の成分がある、肥料によってNPKの割合が異なる、N(窒素)は葉を大きくし・P(リン)は実や花に効き・K(カリ)は根に効く。知っていることはこれくらい。
また、土の保肥力とはなにかも、良く分からない。”肥料を保持する力”なのは分かるけれど、土はどうやって肥料を保持するのかってところが良く分からない。
そこで、肥料関係について調べてみた。
(ぱくたそ(www.pakutaso.com))
保肥力とは、そもそも土はどうやって肥料を保持するのか?
土が肥料を保持する力は、イオンの力。つまり、イオン結合によって肥料を保持する。
土壌のコロイドはマイナスの電荷を帯びます。コロイドとは小さな粒(直径1nm以下)が水に混じっている状態のこと。そして肥料成分はプラスの電荷を帯びるので、そのクーロン力によってひっつく。これが保肥力の正体だ。
この保肥力はCECと言う値で示される。よくバーミキュライトは保肥性が高いと言われるが、それはCECの値が高いということだ。
窒素を深堀り
窒素は化合物の形で肥料に含まれている。油かすのような有機物(タンパク質やアミノ酸)は、有機物態窒素と呼ばれ、微生物によって分解されてアンモニア態窒素になる。そしてアンモニア態窒素は別の微生物に分解されて硝酸態窒素になる*1。化学式で書くと以下のようになる。
- アンモニア態窒素(アンモニウムイオン):
- 亜硝酸態窒素:
- 硝酸態窒素:
ここで、アンモニア態窒素はプラスイオンで、硝酸態窒素はマイナスイオンであることが大切だ。このため、アンモニア態窒素は土壌に吸着されるが、硝酸態窒素は吸着されずに水で流されて失われてしまう。
水稲などの一部の植物はアンモニア態窒素を吸収するが、多くの植物は硝酸態窒素を吸収する。そのため、アンモニア態窒素が微生物に分解されてできる硝酸態窒素は植物に吸われるか、水で流されるかのどちらかになる。(なんだかもったいない)
リンを深堀り
肥料に入っているリン酸()は、水に溶けるとリン酸イオン()になり、植物に吸収される。しかし、これはマイナスイオンであるため、土壌に吸着されない。また、土壌中の鉄やアルミニウムと結合して植物の吸えない形となる。
植物に与えたリン酸のうち植物が利用できるのは10%から20%と言われ、利用率が悪い。
カリを深堀り
肥料として良く用いられるのは硫酸カリウム()で、これを水に溶かすとカリウムイオン()となり植物に吸収される*2。カリウムは土壌中によく吸着され、植物に吸われやすい肥料分で、植物がカリウム不足に陥ることはまれだ。
まとめ
植物の肥料三大成分NPKについて深堀りしてみた。
窒素は植物が吸える形(硝酸態窒素)になると、土壌に保持されずに水で流れていくことが分かった。これは切ない。リンはその大部分が土壌中の鉄やアルミニウムと結合し植物が吸えない。これも切ない。カリは土壌に保持されやすく植物も吸いやすい。これは良かった。