「議論のレッスン」という本を読みました。議論をする上で基本的なことがまとめられています。
議論とは何かを主張するために行う訳ですが、主張は根拠から導かれるものですが、根拠と主張の間にはなにがしかのジャンプがないといけない。ジャンプのない主張をしても、つまり誰もが賛成するような主張をすることは、生産性がゼロということになる。ジャンプのある主張には、根拠と主張の間を結ぶ説明が必要となる。
事実(客観的なデータ)としての根拠が主張をするためには必要である。しかしながら、議論において暗黙の根拠が存在することが多々ある。著者はそれを「論拠」と呼んでいる。
たとえば、”太郎は勉強ばかりしているので、将来ろくな大人にならない”という議論は、事実(根拠)として太郎はよく勉強しているを挙げ、太郎はろくな大人にならないと主張している。ここには「勉強ばかりする人間は偏った人間になる」という暗黙の根拠
(論拠)がある。論拠が変われば主張も変わりうるわけで、例えば、”太郎はよく勉強するので、将来偉大な人物になる」とも言える。この場合の論拠は、勉強する人間は大成するである。
論拠が議論するメンバー内で共有されていないと、かみ合わない議論をすることになる。そのような場合のコツとして著者は、相手に何故その根拠を挙げているのか、尋ねることを勧めている。ぜひ試してみたい。
- 作者: 福澤一吉
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2002/04/10
- メディア: 新書
- 購入: 16人 クリック: 100回
- この商品を含むブログ (57件) を見る