kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



カメラの露出

デジタルカメラを使うときに露出という言葉が良く出てきます。露出って一体何でしょうか?まじめに考えて見ましょう。

デジタルカメラの設定パラメータはシャッター速度と絞りです。簡単に書けば露出=シャッター速度×絞りです。シャッター速度が遅ければ遅いほど、絞りが開いていれば開いているほど、撮影時に撮像素子に当たる光の量が増えます。これが露出です。

露出の測定とシャッター速度・絞りの設定は自動化されているのですが、露出に関するカメラの設定は残っています。これは、露出の自動測定ではうまくいかない場合があるということです。

まず、露出が写真の仕上がりにどう影響するか考えてみましょう。例として、FlickrからCanon EOS Kiss X3で撮影した写真を使います。
http://www.flickr.com/photos/slioza/4476239768/meta/in/pool-1065200@N21

この写真は、一画素あたり8bitで表現されています。真っ白が値255で真っ黒が値0という風に表現されます。もし、撮影したいものが明るい部分と暗い部分の明るさの差が256以上あったら(仮に明るさの差が512あるとする)その明るさの差を表現できないことになります。しかたがないので、明るさの差を256に圧縮して表現することになります(明るさの圧縮)。さて、もし明るい部分が512の一様な明るさではなく、512と511の明るさが混ざっていたらどうでしょうか?明るさの圧縮をした結果、明るい部分の明度差(512と511)は255にまとめられてこの違いは表現できないことになります*1。暗い部分に明度差がある場合も同様に微妙な明度差は潰れます。例の写真で言えば、奥の暗い部分は微妙な明るさの差があったのかもしれませんが写真では潰れて表現できていません。以上のことをまとめれば、撮影対象が大きな明度差(明るい部分と暗い部分)があると、(明るい部分や暗い部分の)微妙な明度差が潰れる、ということです。

例の写真では、主題が氷にあるので、白い部分の明度差をつぶさない代わりに暗い部分の明度差を潰しています。このように明るい部分と暗い部分を一様に潰すのではなく、明るい部分を残し暗い部分を潰すということもできます。ただし、一様に潰したいのか、暗い部分を潰したい(その代わりに明るい部分を残したい)のかは、撮影者の意図による選択でありカメラには分かりません。このため、露出の設定を撮影者ができるようになっています。

 カメラの露出の設定をふり返ると、露出補正と測光モードの選択でしょう。夫々について考えて見ましょう。

 露出補正の考え方は簡単です。明るい部分を潰したい(その代わり暗い部分を残したい)ときはプラス補正し(撮れた写真を明るくし、暗い部分を見やすくする)、暗い部分を潰したい(その代わり明るい部分を残したい)ときはマイナス補正する(撮れた写真を暗くし、明るい部分を見やすくする)。簡単ですね。

測光モードに関しては、たいていのカメラは二つのモードを持っており、それは画面の中央の明るさを優先するか、画面全体で明るさを判断するかの二つです。画面中央の明るさ優先は、撮影者に表現したい部分を画面中央に持ってきて欲しいという考え方で、画面全体で明るさを判断するモードは、カメラが自動で露出を決めるとう考え方です。カメラが自動で露出を決めるといっても先ほど述べたように撮影者の意図がカメラには分からないという問題があるので、顔認識モードといった撮影シーンに応じた情報を使うことになります。例えば、顔認識できたら人物撮影だと判断し、顔の明るさに露出をあわせます*2

*1:明るさの差は輝度差と呼ぶのが正しく、明度差は正しい用語ではないのですが、分かりやすさ優先で敢えて明度差と書くことにします。

*2:逆に言えば、顔認識して撮影しているのに、顔以外の部分例えば手に持ったバッグに露出を合わせたいといったことはできません。