はじめに
リコーからGR Digital IVが9月15日に発表されるらしい。そのニュースを聞いて、価格コムを見てみると、GR Ditigal IIIが3万2千円になっている。安い。2年前は7万円だったのに今ではその半額以下です。でも、良く考えたら2年前の機種が半額にしか下がらないってすごいことのような気もします。例えば、Lumix GF2(黒の本体のみ)を調べてみると、8か月前が5万円だったものが、2.2万円です。なんと1年しない間に44%まで下がっています。そう考えると、2年で50%までしか下がらないGR Digital IIIはすごいカメラです。
ひと月前の「コンパクトで高画質なデジカメ」で書いたように、GR Digital IIIのすごいところは、明るいレンズ・大きな撮像素子・小型軽量の三つがそろっていることです。例えば、マイクロフォーサーズ機はキットレンズが暗いのが難点です。OlympusのXZ-1は非常に優秀なレンズを持ったカメラですが、コンパクトデジタルカメラとしては重すぎます。このように、GR Digital IIIは独自のポジションを占めているカメラなのです。
GR Digital IIIの欠点
GR Digital IIIにできないことも述べておくべきでしょう。まず、ズームができません。パンケーキセットを買ったと思ってください。顔認識機能もありません*1。また、撮像素子がCMOSでなくCCDなので、消費電力も大きいはずです。さらに、液晶モニタの画素数は3インチ92万画素とE-PL3の倍の画素数ですから、こちらも電力を喰います。このように、GR Digital IIIは尖ったカメラであります。それ故、初心者にはお勧めできません。また、GR Digital IIIだけ所持してカメラライフを楽しむというのもつらいと思います。
GR Digital IIIの良い点
上述したようにGR Digital IIIはできないことの多いカメラです。一方でできることも多いカメラなのです。この得手不得手の割り切りの良さに、リコーの製品仕様を決めた方へ敬意の念を抱かざるを得ません。
まず、なんといっても優秀なレンズ。単焦点に機能を割り切ったことで最適設計が目いっぱいされています。レンズ構成は、6群8枚 (非球面レンズ2面2枚)。ニコンの一眼レフ用の単焦点レンズAF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8Gとほぼ同じ構成です。
撮像素子はCMOSよりもノイズが少ないCCDを使っています。画質にこだわったカメラだけのことはあります。
背面液晶は、3インチ92万画素あります。撮影した写真の確認が確実にできます。デジタル一眼レフで撮影する人は分かると思いますが、撮影するときは露出や絞りを変えて何枚も撮影するものです。撮影しながら撮影パラメータと写り具合を確認しながら、最適パラメータを決めていくときに背面液晶が美しいと助かります。
RAWでデータを出せます。JPEGの圧縮アルゴリズムが気になる方は、PCでJPEG変換するとよいでしょう。CPU(ex iCore5)がブン回って様々なアルゴリズムを駆使してくれます。
電子水準機を備えており、撮影時の水平を教えてくれます。コンパクトデジカメは、本体が小さいのでどうしても水平を保持しづらいのです。この機能を使うと、手放せなくなります。
そして、なんといっても軽くて・小さいことです。レンズ込みで200gを切ります。
で、結局
わたしは、GR Digital IIIを今買いました(笑)。写りに拘りたいときにはD90を使うわけですが、さすがにD90を常に鞄にいれるというわけにはいきません*2。現在は、CX1を常に鞄にいれて持ち歩いています。どうしても、CX1では撮れない絵というのもがあります(D90と比べるのはCX1に酷なのですが)。
追記
2011年9月1日
早速、GRD IIIとCX1で撮り比べをしてみました。明るさや撮影角度が若干違うのですが、どっちがGRD IIIか分かりますか?
実は、私はこの二つの写真を見比べたとき、ほぉっと思いました。GRD IIIの写りはシャープだとは良く聞いていたのですが、実際シャープな写りとはこういうものかと分かった気がしました。
さらに、GRD IIIとCX1とF401で撮り比べです。
2011年9月8日
今朝価格コムを見たら、GRD IIIの最安値が42800円になっていました。安売り店の在庫が切れて、価格が戻ったのですね。GRD IIIは値下がりしないカメラですね。
2012年2月19日
今朝価格コムを見たら、GRD IIIの最安値はアマゾンの39,800円でした。一方、GRD IVは60,000円でした。差額2万円とは悩ましい。GRD IVも良いカメラですからね(GR Digital IV先行体験イベントに参加)。
2012年9月20日
GRD以外にも良く撮れるカメラはたくさんありますが、やっぱりGRDっていいんですよ。下の写真は堂々とした日の丸構図で撮ってみました。
2014年10月13日
GRD3を買ってからすでに3年。今も使っています。紫色の強いバラを撮るときに、綺麗に色が出るカメラって少ないんです。GRD3は色が綺麗に出るところも、手放せない理由の一つです。(下の写真は、シェエラザードというバラ)。
2019年8月30日
まだまだ現役のGRD3。今ではスマートフォンの方が画素数が多い時代だけど、右手だけで撮れるGRD3の代わりを、スマホではできない。サッと出してサッと撮る、絞りとISO感度を変えてシャッターを切るまで1秒。そしてレンズが素晴らしい。
下は渋谷で撮った写真。BUNKAMURA前のH&M。エレベータで上に上がっている途中にこの風景に気付き、目的階に着く前に撮り終えた。さすがGRD3。スナップシュータの速さ。
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