kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



バラの冬剪定の考え方と方法

 バラの冬剪定を行う季節がやってきました。冬剪定ってどう行うのか?自分の中で整理するため、文章にまとめておきます。

冬剪定とは何か?

 バラを含む落葉樹は、冬になると落葉して休眠状態になります。この休眠状態では、枝を深く切っても株本体はあまりダメージを受けません。つまり、剪定し過ぎても株を枯らす危険性が低いのです。
 バラの場合、春から秋にかけての花がら摘みの際にも、結構深く切ります。しかし、冬には、それ以上深く切ることができるのです。

何故冬剪定を行うのか?

 冬剪定では、枝を深く切れることを説明しました。では、何故枝を深く切る必要があるのかというと、それは3つの理由があります。一つ目の理由は、株を好みの大きさにするためです。二つ目は、日当りや風通しを確保して株を健康に保つためです。三つ目は、花の大きさと数をコントロールするためです。

冬剪定はいつ行うべきか?

 一般には、12月から2月が冬剪定に適した時期と言われていますが、お住まいの地域やバラの品種によって適期は異なります。私は、バラが落葉したら冬剪定を行っています。2月になっても落葉しない時は、バラの葉を手でむしって冬剪定を行う方が多いようです。

株を好みの大きさにする

 バラの中には2メートル近い樹高になるものがあります。一方で、バラの植えている場所によっては、花を低く咲かせたい場合もあります。冬剪定を行うことで、バラの大きさをある程度調整できます。
 バラの冬剪定を行わなければ、株はその本来の大きさに成長します。一方で、冬に深く切り戻せば、株は翌年も小さいままとなります。では、どこまで深く切り戻せるのでしょうか?バラで有名な有島薫さんは、げんこつ剪定と称して、枝をすべて根元で切ることもあるそうです。さすがにげんこつ剪定をすると、バラの品種や株の状態によっては枯れてしまうこともあると思います。

株を健康に保つ

 植物は葉が茂りすぎると、下の方や株の内側はどうしても日当りが悪くなり枯れてきます。また、風通しが悪くなりますので、うどん粉病や黒星病のような病気にもかかりやすくなります。そこで、日当りと風通しの悪くなった株は、枝を切って減らします。
 切る枝は、平行枝(二つの枝が同じ方向に平行に伸びている場合)は、一つの枝を残して切ります。交叉枝(二つの枝が交叉している場合)も、一つの枝を残して切ります。平行枝と交叉枝を切ったあと、枝が込み合っている部分があれば、そこの枝も切り落とします。どこまで枝を取り除くべきか迷ったときは、日当りの確保と風通しを良くすることが目的であることを思い出してください。バラを植えている場所が風通しが良い場所であればたくさん枝を残して大丈夫ですし、そうでなければ残す枝の数は少なくした方が良いでしょう。

花の大きさと数をコントロールする

 剪定によって、花の大きさと数をコントロールすることができます。
 原則的には、花数が多いと各々の花の大きさは小さくなります。また、太い枝からは大きな花が咲き、細い枝からは小さい花しか咲きません。
 そこで、細い枝を切り落とし、太い枝だけにすると、大きな花が咲くようになります。また、多くの枝を切り落とし、枝の数を減らすと、大きな花が咲きます。大きな花が咲く代わりに花の数は減ります。逆に、切り落とす枝の数を減らして、なるべく多くの枝を残すと、花の数は増え代わりに各々の花の大きさは小さくなります。
 つまり、残す枝の太さと数によって、花を大きくしたり小さくしたりできます。ただし、花を大きくした場合には、花数は減ります。花の大きさと花数の多さの両方を求めることは、剪定ではできません。また、バラの品種によって花の大きさにも限度があります。一般にハイブリッドティーは、大きな花を咲かせることができますので、深い剪定を勧める本が多いようです。逆に、フロリバンダは、それほど大きな花を咲かせませんので、花数を求めて浅い剪定を薦める本が多いようです。

冬剪定の手順

 私は、次のような手順で冬剪定を行っています。

  1. 剪定ばさみを研ぐ(剪定で一番大切なのは、剪定時期や剪定場所ではなく、切れるハサミを使うことだと私は思っています)。
  2. 細い枝から切り落としていく(どの細さまで切り落とすかは、品種により様々です。私は、ハイブリッドティーは割り箸の太さより細い枝は切り落とし、フロリバンダは鉛筆の芯より細い枝は切り落とします。)。
  3. 交叉枝、平行枝を切り落とす(太い枝でもこれらは切り落とします)。
  4. 残った枝を、好みの株の大きさで切り落とす(私は、ハイブリッドティーは枝の1/3の高さで切る(2/3は切り除く)ことが多い、フロリバンダは枝の2/3の高さで切ることが多い。)
  5. 残った枝を、好みの株の横幅で切り落とす。
  6. 枝が込み合ったところが残っていたら、適当に枝を切り落とす。



ハサミを研ぎましょう。

冬剪定のちょっとしたコツ

 冬剪定は”良い芽の上で切る”と言われることがありますが、芽は枝の上の方に出ている場合が多いので、深く剪定するときには良い芽がみつからない場合があります。そこで、12月に仮剪定し、2月に本剪定することを勧める人もいます。12月の仮剪定をすることで、枝の下の方に芽がでるようになり2月の本剪定で良い芽を見分けられるという考え方です。
 また、早い時期に冬剪定すると、春の花が早く咲きます。そこで、12月に剪定する株と、2月に剪定する株を分けておくと、花の咲く時期が異なり長く花を楽しむことができます。
 また、鉢植えの場合は、土かえと冬剪定の時期をずらすことを勧める人もいます。土かえで根が傷むため、根が回復する2週間後以降に冬剪定を行うという考え方です。


 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
 バラの品種や植えられている気候により、冬剪定の方法は様々です。冬剪定に失敗しても、最悪バラが枯れるだけのことですから、気楽に楽しむことが一番だと思います。剪定のコツとして唯一言えることと言えば、切れるハサミを使うこと、剪定前にハサミを研ぐこと、だと思います。私は岡恒さんのハサミをお勧めします。

岡恒 剪定鋏 200mm NO.103

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