kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



何故、インターネットは社会を豊かにしないのか?

 「その場に留まるためには、全力で走り続けなければならない」と言ったのは、鏡の国のアリスに出てくる赤の女王だ。一方、企業や社会は毎年成長しなければいけないような風潮がある。これは何故だろう?
 「機械との競争」で、IT技術により労働効率が上がった結果、少数の人間で経済活動が出来るようになり、中間層の所得が減り上位層の所得が増えていると述べている。世の中が飽和し消費量が増えない中で、労働効率が上がれば、企業の収入は増えることなくその分配が変わるということだ。
 例えば、1980年代のようにメールが無かった頃、会議をセッティングするにしても参加者一人一人に電話して空き時間のANDを取って、ANDが取れた時間をまた会議参加者一人一人に電話で伝えていたのだろう。10人参加の会議を設定するのに1時間くらいかかりそうである。これがメールがあると、のべ時間で10分もあれば設定できる。60分の仕事が10分になったのだから、社員の収入は1/6である。
 企業が新しい仕事にチャレンジして別に収益のあがる仕事があれば、残りの5/6でこの収益の上がる仕事をすることができる。今は、この別の仕事が生まれる速度が遅く、労働効率アップによる仕事の減りを相殺できていないというのが「機械との競争」の主張である。
 このように考えると、「技術革新により労働効率が向上してみんなの収入が増える」と誰かが言ったなら、それはウソかもしれない。

機械との競争

機械との競争