kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



成功事例から学ぶべきこと

 他人の成功話から、自分の成功のヒントを得ようとする人は多い。ところが、成功事例から学ぶべきことが案外わかっていないんじゃないかなと思うことが良くある。典型的なダメな例は、成功事例の真似をしようとする人。おいおい、成功事例から学ぶべきはそこじゃないだろうって思うのだけど、耳を貸そうとはしない。そこで、成功事例から学ぶべきものについて整理しようと思う。
 例えば、「鴻海も投資 しぼむデジカメ市場の「革命児」、大ヒットの秘密 」(日経新聞)は、成功事例を紹介している典型で、記事の書き出しは以下だ。

 ここ数年、急速な勢いで市場が縮小しているコンパクト型のデジタルカメラ。この厳しい環境下で、発売から約3年で300万台以上を出荷した大ヒット商品がある。米国シリコンバレーベンチャー企業が開発した、「GoPro」シリーズだ。大手カメラメーカーが苦境に陥るなか、GoProはなぜ元気なのか。その秘密に迫った

なんだか、この秘密を教えてもらえると、自分も成功しそうな気がするでしょ?こその秘密というのは、

 Woodman Labsの創業者はサーフィンが趣味(図3)。自分の技術を自慢したいというキッカケでGoProを開発した。「それまでは、自分の活動を写真や動画に残す手段がなかった。GoProユーザーは、自分の生活をキャプチャーしたいんだよ」と、Shaikh氏は話す。実際の利用シーンに合わせたユーザー体験を高めるデザインが、ヒットの秘訣だったというわけだ。

 これを読んだ人が、「自分の必要とするものを作ればいいんだ!」みたいに考えたなら、ほぼ確実に失敗する。それは、GoProを開発したWoodman Labsの創業者が成功したのは、偶然だからだ。偶然という言葉は強すぎるかもしれないけど、彼と同じアプローチをとって失敗した人は取材されていないことに注意が必要だ。彼の背後には多くの屍が転がっているはずだ。
 GoProと同じ構図の成功事例報告にスターバックスのビジョンが大切という話がある。これもビジョンを持ってサービス業に挑んだ例は非常に多くあり、そのなかでスターバックスがたまたま成功したということだ。全ての成功事例が有する特性で、かつすべての失敗事例が有さない特性があれば、それを成功の秘訣と呼んで良いが、そんなものは無い。
 成功事例から学べること、例えばGoProの場合、GoProの成功を見て類似製品を様々な会社が出してくること。これは、アップルのiPhoneが成功したのを見ると、サムスンなどが類似製品(スマートフォン)を出してきたのと同じだ。そして、GoProは段々輝きを失ってきている(iPhoneサムスンスマホに負けてきているのと同じ)。つまり、成功した後、キャッチアッパーが現れて必ず追いつこうとすることは学んだ方が良い。キャッチアッパ―に追いつかれないためには、QBハウスの場所の利、GoogleのPCの大量発注によるコストダウン、など当たり前の仕組みに持ち込む必要がある。これも成功事例から学ぶべきことだ。