「考えない練習」と「スローライフでいこう」、この2冊を読み返した。この2冊は、続けて読むとお互いの内容が良くわかる。
「考えない練習」では、心というものが同じことを何度も繰り返して考えたり、外界からの刺激を無意識に解釈して、快・不快といった感情を無意識に引き出すことを述べている。「無意識」のうちに「感情を引き出す」ことがポイントである。心理学でいう所の自動思考というやつだ。この自動思考を止めるために、自分の心の動きを見つめる練習をこの本は勧めている。
一方「スローライフでいこう」では、一度に一つにだけ心を集中することを勧めている。TVを見ながら食事をする、人の話をうわの空で聞く、といったことをやめるべきだと言っている。
この二つの本は、心を一つのことに集中させることを勧めるという点で共通しており、その利点や、練習の方法についての記述は異なっている。しかし、その内容は矛盾しているわけではなく、同じことを異なる切り口で述べているだけである。
実際に、「考えない練習」に従い練習すると、自分の心が今目の前にしていることから離れる瞬間が分かるようになる。その上で「スローライフでいこう」に従い、誰かと話をするときにその人の話に集中しようとすると、不意に心が会話とは異なることを考えていることに気づく。人の話は集中して聞きましょうとはよく言われる話だが、自分の心の気の散り方にビックリする。できてるつもりが一番怖いということを実感しました。
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スローライフでいこう―ゆったり暮らす8つの方法 (ハヤカワ文庫NF)
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