kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



万が一成功するかもしれない

 NHK朝の連続テレビ小説「まれ」を楽しく観ています。
 主人公「まれ」の父親 津村徹は、ひと山当てようと事業を起こしては失敗している。この津村徹の事業の成功率はどれくらいなのだろうか? 1%? 0.1%? 直感で想像して欲しい。
 1%前後と考える人が多いのではないでしょうか。「日本のシード・ベンチャーの最前線」(UFJベンチャー育成基金)のスライド9によると、米国においてビッグアイデアを持つ企業家が成功する確率(IPOもしくはM&Aまで達する確率)は0.024%,約 四千分の一です。あまりの成功確率の低さに、これをイメージすることもできません。大雑把に表現すれば「万が一」成功するようなことがあるかもしれない、というところです。
 ベンチャが成功する確率は殆ど無い。このことを頭において下さい。
 上の「日本のシード・ベンチャーの最前線」のスライド38が、現実なのでしょう。

<VB経営者の言葉>
「強いVBが勝つのではない 勝ったVBが強い」
「VBは綱渡りの連続1つ綱を渡ると、その先に次の綱が1つでも落ちたら、そこで終わり」

 書店のビジネス本は役に立たないのですよね。マネージメントの優劣や、リーダーシップの巧拙なんて、成功にはほとんど貢献しない(成功確率4千分の1を、2千分の1にするかもしれないけれど、、、たそれは誤差)。また、「日本人は失敗を恐れてチャレンジしない」などという人がいますが、成功確率四千分の1にチャレンジしないのは、合理的だと思います。
 アベノミクス第3の矢「成長戦略」が成功するのはずっと先でしょう。
 安倍総理の経済政策、通称アベノミクスの第3の矢は成長戦略ですが、その中に「ベンチャー支援」というのがあります。

創業10年未満の新規中小企業者について官公需における受注機会の拡大を図るため、必要な法的措置を速やかに講じる。また、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構において、平成26年度中に、ベンチャー企業等に対する公的研究資金に関する配分目標を設定すべく、同機構の中期目標の改定を行う。

(「産業競争力の強化に関する実行計画」 (本文) より)
 ベンチャー企業の数が増やして国力を成長させようという考え方は分かるのですが、その前に「万が一成功するかもしれない」という起業に飛び込んでいく楽天家を増やす必要があるように思います。
 日本国民の中での楽天家の数は、教育・文化的側面で決まります。文化を変えるのは3世代くらいの時間が必要に思います。ま、100年くらいでしょうか。