kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



クジラの彼:自衛隊員の恋愛物語

 有川浩の「クジラの彼」は、自衛隊員の恋愛話だ。

 クジラとは潜水艦の喩えだ。そして「クジラの彼」は、潜水艦乗務員を彼氏にもつ女の子の話。

 潜水艦乗りは、出航予定・帰港予定などすべてが国防上の秘密だ。そんな彼氏を持つ彼女はつらい。何せ、突然彼氏がいなくなって連絡が取れなくなるのだ。もちろん携帯やメールは通じない。音信不通のまま数か月が経ち、ひょっこり彼氏が現れる。そんな待つ女を強いられる。

クジラの彼 (角川文庫)

クジラの彼 (角川文庫)

 

 

 このような自衛隊の恋愛話を6編集めた短編集だ。その中の3篇は、他の作品のアフターストーリになっている。潜水艦が舞台の小説「海の底」のアフターストーリが2編。航空パイロットがヒロインの小説「空の中」のアフターストーリが1編。

 「海の底」の冬原春臣のアフターストーリが「クジラの彼」。そして、冬原晴臣の相棒である夏木大和のアフターストーリが「有能な彼女」。

 「空の中」の春名高巳と武田光稀がその後の結婚生活を描いたものが「ファイターパイロットの君」

 

 アフターストーリは、登場人物のキャラクターが既にできているため、ストーリの自由度が低い。そんななか「クジラの彼」は新キャラ、つまり冬原の彼女を主人公にすることで自由度を上げてストーリを作っている。

 「ファイターパイロットの君」は、主人公のキャラクター設定が分かるとより楽しめる。この本を読む前に「空の中」を読んでおくのが良い。

 

kota2009.hatenablog.com

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