kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



バニラエアが障害者の登場を拒否した件


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 車椅子の男性が飛行機に乗ろうとした際に、歩けない人は乗れませんと搭乗を拒否された事件がありました。それに対して男性は自力でタラップをよじ登ったというものです。

 障がい者差別の点で議論を呼びましたが、ここでは別の視点で考えたい。

 このニュースを見る時、バニラエアの職員は権限委譲されていないと私は思うのです。格安航空会社であるバニラエアにはマニュアル類が整備され、職員はそれに従いオペレーションをすることが求められていたはずです。作業効率を上げるためです。そうしたときに、マニュアルにない乗客が現れたとき、現場の職員は判断できないわけです。

 現場の職員に人間としての判断能力が無いと言っているわけではありません。判断する権限が与えられていないという意味です。

 乗客が飛行機に搭乗する際のオペレーションルールに従い業務をしている職員にとって、そのルールが記されていない事態が発生した場合、「できません」という態度をとらざるを得ないでしょう。マニュアルには危険なことは避けよと書いてあったとしたら、誰かに抱えられて搭乗する乗客というのはルール違反になります。

 一方で現場の判断で動けるような体制を敷くと、作業効率は落ちます。例外事項に対応するのは時間がかかるためです。また、例外事項に適切に対処できるように職員をトレーニングするには多くの時間と費用が必要です。

 もともと航空機会社は、飛行機の出発の遅れをひどく嫌います。経営的に一台の飛行機の稼働率を上げることが利益の源泉になるため。飛行機が時間通りに出発し、時間通りに到着して、さっさと客を下ろして次の出発準備をサッサと済ませることが、航空会社の経営には大切です。バニラエアの業務マニュアルが速く速くという思想で作られていたならば、時間のかかる客に対して職員がれいがいたいおうすることは一層難しい。