ネットを見ていると面白い記事があった。
世界に広がったキャラクターとして、日本発のものがないのは無いのは何故か?悪魔やドラゴンのような西洋発のものがあるのに、と問うている。
日本発の世界レベルキャラクターは、近年のものはたくさんある。ハローキティ、ピカチュー、キャプテン翼など。ゲーム、コミック、アニメに由来するものに目を向ければ、日本は圧倒的なキャラクター大国である。西洋だと、スパイダーマン、バットマン、スーパーマン位か。
上の記事が話題にしている神話由来のキャラクターに絞れば、確かに、日本発で世界に広まったのものを思いつかない。それは何故か? この理由を書いてみよう(「サピエンス全史」がネタ本だ)。
西洋発の古典キャラクター(悪魔とかドラゴンなど)を世界に広めたのは、宣教師だ。フランシスコザビエルとかね。
彼らは、世界各地に赴いてキリスト教を広めた。例えば十字軍。彼らは、武力でキリスト教を広めようとアフリカから中東まで遠征した。
このように、宣教師は世界を旅し、キャラクターも世界に広めていった。
十字軍の次は、植民地政策で商人が活躍する。コロンブスのアメリカ大陸の発見、イギリスの東インド会社、アヘン戦争、スペインのメキシコ、フランスのアフリカ支配(コードジボワール、コンゴ、アルジェリアなど)だ。江戸時代の日本は、オランダやポルトガルの商人と交易していたことを思い出して欲しい。資本主義に駆られた西洋の商人は利益を求めて世界中を旅した。
そうしてキャラクターも世界に広めた。
つまり、西洋のキャラクターは、宣教師(宗教家)と商人が世界を旅して広まった。
では、日本の宗教家と商人は何をしていたのだろうか?
まず、宗教家について。実は、キリスト教やイスラム教は、その神様が人気者になりがある、珍しい宗教だ。ギリシャ神話のゼウス、アポロン、ビーナスなど、神様は信者でない人々にまで信仰を求めない。日本の神様も人々に信仰を広めることをしない。恵比寿天は、漁業の神様。漁をする人々は自発的に彼を信仰するが、恵比寿天が新たな信者拡大を求めたりはしない。
日本の神様は布教を求めない。そのため、キリスト教のように宣教師がキャラクターを広めることもなかった。
次に商人について。西洋が植民地政策を推し進めていた時期、日本は鎖国をしていた。その間に容易に植民地化できるところ国は西洋が抑えていた。そうして第1次世界大戦が勃発。この戦争は、西洋諸国による植民地の取り合いの戦いだった。日本は、第2次世界大戦の頃、海外進出を目指した*1。圧倒的に西洋より時期が遅い。また、第2次世界大戦に日本は敗れているため、日本の商人が海外進出するのはもっと後になってからだった。
このように、植民地政策に乗じて、日本の商人がキャラクターを広めることはなかった。
日本の商人がキャラクターを広めたのは、クールジャパン政策になってからだ。
まとめ
西洋発の古典キャラクターを世界に広めたのは、宣教師と商人だった。一方、日本の神様は信者拡大に興味がなく、宣教師の活躍はなかった。また、日本は鎖国をしていたため商人は活躍せず、クールジャパン政策をになって商人はキャラクターを世界に広めた。ピカーチューなど*2。
おまけ
この記事の元ネタは「サピエンス全史」。この本は、色々な話題の元ネタになり便利だ。