バラを育てています。バラは、ほぼ確実に虫と病気の被害を受けるため、殺虫剤と殺菌剤の散布が必要で、これをお手軽に行うにはハンドスプレーが適しています。
(ぱくたそ(www.pakutaso.com))
同じ殺虫剤を何度も繰り返し使用すると、虫がその薬剤に耐性を持つため、異なる薬剤をローテーションして使うことが大切です。ここでややこしいのが、製品名や殺虫成分名が異なっていても、同じ系統の薬剤を繰り返し使用すると虫は耐性をつけて、薬剤が効かなくなります。
薬剤の系統は分かりづらいので、表にまとめてみました。
商品名 | メーカー | 殺虫成分 | 殺菌成分 | 許容使用回数 |
---|---|---|---|---|
ベニカXネクストスプレー | 住友化学園芸 |
還元澱粉糖化物 クロチアニジン ピリダリル ペルメトリン |
マンデストロビン | 4回 |
ベニカXファインスプレー | 住友化学園芸 |
クロチアニジン フェンプロパトリン |
メパニピリム | 4回 |
ベニカXスプレー | 住友化学園芸 | ペルメトリン | ミクロブタニル | 5回 |
GFモストップジンRスプレー | 住友化学園芸 |
アセタミプリド フェンプロパトリン |
チオファネートメチル | 5回 |
モスピラン・トップジンMスプレー | 住友化学園芸 | アセタミプリド | チオファネートメチル | 5回 |
ベニカグリーンVスプレー | 住友化学園芸 | フェンプロパトリン | ミクロブタニル | 5回 |
ベニカベジフルVスプレー | 住友化学園芸 | クロチアニジン | ミクロブタニル | 4回 |
ベニカマイルドスプレー | 住友化学園芸 | 還元澱粉糖化物 | なし | ー |
ベニカナチュラルスプレー | 住友化学園芸 |
還元澱粉糖化物 調合油 BT菌の生芽胞及び産生結晶毒素 |
なし | ー |
マイローズ殺菌スプレー | 住友化学園芸 | なし | ミクロブタニル | 5回 |
カダン アタックワンAL バラ用 | フマキラー | ビフェントリン | ミクロブタニル | 5回 |
BrilliantGarden フローラガードAL | ハイポネクス | なし | テトラコナゾール | 7回 |
(BT菌:バチルス チューリンゲンシス菌)
上の表で殺虫成分を系統別に色を変えて記しています*1
- 赤字は、ネオニコチノイド系殺虫剤
- 青地は、合成ピレスロイド系殺虫剤
また、殺菌剤については、以下のように色を変えています。
- 農紺字は、ストロビルリン系殺菌剤
- 緑字は、アニリノピリミジン系殺菌剤
- 茶色字は、EBI系殺菌剤
- 紫字は、ベンゾイミダゾール系殺菌剤
この表を見ると、以下の製品は、二つの系統の殺虫成分を含んでいます。
- ベニカXネクストスプレー
- ベニカXファインスプレー
- GFモストップジンRスプレー
そのため、これらとローテーションして使える製品は、下だけになります。
- ベニカマイルドスプレー
- ベニカナチュラルスプレー
さらに、粒剤について調べてみると、以下の二つはどちらもクロチアニジン(ネオニコチノイド系殺虫剤)を含んでいます。
- ベニカXガード粒剤
- オルトランDX粒剤
そのため、これらの粒剤を使用すると、以下のスプレー剤を使うことはできません。
- ベニカXネクストスプレー
- ベニカXファインスプレー
- GFモストップジンRスプレー
- モスピラン・トップジンMスプレー
- ベニカベジフルVスプレー
まとめ
ハンドスプレーは手軽ですが、複数の薬剤を含んでいるためローテーションの相棒となる製品が限定されます。例えば、ベニカXネクストスプレーを使うと、ローテーションの相棒として使用できるのは、ベニカマイルドスプレー and/or ベニカナチュラルスプレーになります。
さらに、良く使われる粒剤であるベニカXガード粒剤やオルトランDX粒剤を使うと、殆どのスプレー剤を使用することはできなくなります。
真面目にローテーションを考えると、スプレー剤は使い勝手が悪いですね。
*1:ただし、ピリダリル(ピリダリル系)、還元澱粉糖化物、調合油、BT菌は、その他として黒字。