桜も散り、虫たちも活発に動くようになってきました。そこで、鉢植えの植物に殺虫剤(粒剤)を撒きました。使用したのは、
- バラには、ベニカXガード粒剤
- その他(マーガレット、ベチュニアなど)には、オルトランDX粒剤
なぜ粒剤を使うのか?
噴霧タイプではなく粒剤を使うのは、風で飛び散って他の植物にかかることが無いためです。虫たちを全滅させたいわけではなく、ある限られた植物を守りたいだけだから。
ベニカXガード粒剤とオルトランDX粒剤の違いは?
さて、ベニカXガード粒剤とオルトランDX粒剤の成分はほぼ同じで、違いはベニカXガード粒剤にはBT菌が入っており、オルトランDX粒剤にはアセフェートが入っていることです。
商品名 | 成分 |
---|---|
ベニカXガード粒剤 | クロチアニジン、BT菌*1 |
オルトランDX粒剤 | クロチアニジン、アセフェート |
これらの成分の効果は
つまり、
- ベニカXガード粒剤には、黒星病・うどん粉病の予防効果がある
- オルトランDX粒剤には、アブラムシに一層良く効く
なぜ使い分けるのか?
ベニカXガード粒剤は良く効きます。病気の予防効果も優れていて、バラのうどん粉病・黒点病が殆どでなくなりました。それなら、オルトランDX粒剤を使わずに、全ての植物にベニカXガード粒剤を使おうかと思うのですが、オルトランDX粒剤は安いため病気の予防が不要な植物にはこちらを使っています。
効果的に使うコツ
ベニカXガード粒剤とオルトランDX粒剤の両方とも殺虫成分の有効期間は約1か月です。一方、使用回数は最大4回/年に制限されているため、毎月施すわけにいきません。益虫が活動を開始する前の4月から初めて、コガネムシの幼虫が動き出す7月と9月くらいが撒き時です。
また、使用回数が4回に制限されている理由は、虫に薬剤耐性をもたせないためですから、全ての鉢に同じタイミングで施すのが効果的です。バラバラのタイミングで異なる鉢に施すと、近くの虫が移動して薬剤耐性を獲得する可能性が高まります。
さらに、これらの粒剤はクロチアニジンと言う成分を含みます。クロチアニジンはとても効果のある成分で、スプレータイプの殺虫剤にもよく使われています。例えば、ベニカXネクストスプレー、ベニカXファインスプレー、GFモストップジンRスプレーなど。そのため、これらと併用することはできません。ベニカXガード粒剤やオルトランDX粒剤と併用できるスプレー剤は、ベニカXスプレーです(住友園芸のスプレー剤は「ベニカX」から始まる物が多くてややこしい。。)。詳しくは別記事【バラの殺虫剤、お手軽なスプレー剤はローテーション散布しづらい - kotaの雑記帳 (hatenablog.com)】を見てください。
まとめ
殺虫剤の成分を見て薬剤を使い分けると、とても効果的です。少ない手間とお金で、植物たちを守ることができます。
ベニカXガード粒剤とオルトランDX粒剤は併用禁止
「ベニカXガード粒剤 オルトランDX粒剤 併用」を検索して訪問頂く方が多いようで、併用について書いておきます。
ベニカXガード粒剤とオルトランDX粒剤は併用禁止です。この二つは同じ成分(クロチアニジン)を含むため、併用すると規定量を超えて植物に農薬をやることになります(風邪薬で例えれば、ベンザブロックとルルを併用するようなものです。どちらもトラネキサム酸を含むため、倍量使用することと同じになります)。
補足
ベニカXガード粒剤やオルトランDX粒剤のように土に撒くタイプの殺虫剤は、背の高い植物には効きません。樹高1m以下の植物に向きます。