バラを育てる上で、最も注意の必要な病気は黒星病(黒点病)です。病気の拡散速度が速く、多くの葉が落ちることから、株の勢いを強烈に削ぎます。
黒星病を発病すると、薬剤を散布しても、治ることはなく進行を止めるだけなので、発病しないよう予防が大切です。予防には、黒星病の感染の仕方を良く知ることが大切。そこで、黒星病について深掘りしてみます。
黒星病とは
葉に黒い斑点が出てそのうち葉が落ちる病気で、原因は糸状菌(カビの仲間)の一種である黒星病菌(Diplocarpon rosae WOLF)です。
感染の仕組み
黒星病の感染源は
- 黒星病になった落葉で子のう胞子が作られ、雨が降ると飛散する。飛散は日中に多く、夜間の雨ではほとんど飛散しない。
- 発病した病斑上には分生子が多数作られる。この量は子のう胞子の量よりも圧倒的に多いので、以後は雨や風で飛散した多量の分生子で2次感染が繰り返され、急激に病気が進む。なお、分生子は昼、夜の区別なく飛散する。
そして、飛散した子のう胞子あるいは分生子が感染するには、葉が一定時間以上濡れ続けなければならない。また、発病までの最短濡れ時間は温度によって変化します。
- 平均気温5℃ では30時間以上濡れ続ける必要がある
- 10~ 14℃ では10~ 14時間濡れ続ける必要がある
- 15~ 20℃ では9時間濡れ続ける必要がある
病気が越冬する仕組み
黒星病原菌の越冬は、大部分が若枝への寄生状態で行われ、落葉などの子嚢胞子によることが非常に少ない。
黒星病への対策
越冬した黒星病菌への対策として、春の新芽に薬剤散布を行うことが効果的です。
黒星病に感染した落ち葉を掃除して取り除くことも大切。
また、黒星病にかかったら、なるべく早く薬剤散布することが病気を広げないために重要です。
まとめ
黒星病について詳しく調べました。
発病すると広がるのも速く、使用する薬剤も増えるため、予防的に早め早めの薬剤散布が効果的。結果的に使用する薬剤の量も少なくなります。
具体的には、春の新芽への薬剤散布、それ以降は雨に濡れる前の薬剤散布が大切です。