「世界史の極意」を読んでいます。この中に、資本主義の本質とは、何かについて述べています。
資本主義の本質は、「労働力の商品化」である。
自分の土地や生産手段は持っていない。例えば、日本の大卒の学生にはみな「二重の自由」があります。こういう人はどうやって生活するか。自分の労働力を商品化する。つまり労働力を売って生活するのです。
一方、労働力の価値である賃金はどう決まるか。3つの要素で決まる。
- 労働者が次の1か月働けるだけの体力を維持するに足るお金
- 労働者階級を再生産するお金。つまり家族を持ち、子供を育てて労働者として働けるようにするためのお金
- 資本主義の科学技術の進歩に合わせて、自分を教育するためのお金
このように書くと、夢の無い話に見えます。だからサラリーマンは社畜なのだと思う人もいるでしょう。
しかし、一歩踏みとどまって考えると、その何がいけないのかと開き直ることも可能でしょう。生活ができて、家族を養えて、勉強もできる。これ以上の何を望むのか。一度考えてみましょう。
安定性を欲しいと思う人はいるかもしれません。日本のように労働力の流動性が低い場合、一度誰かに自分の労働力を売ると高い確率で買い続けてもらえる。しかし、労働力を買ってもらえなくなると、新しい買い手を探すことが難しい。そういう安定性をもった労働力市場なのでしょう。
- 作者: 佐藤優
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