kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



逆転の競争戦略

 本書は、競争軸を変えることで業界トップ企業を逆転できることを示している。

逆転の競争戦略[第4版]

逆転の競争戦略[第4版]

 本書の良いところは、事例が豊富である点だ。一般の経営書は読んでいて眠くなることが多い。しかし、本書は皆が良く知る事例を豊富に記しているため、面白く読める。さらに、自分の働く業界のトップ企業を分析する際にも、近い事例を見つけることができる。
 
 本書から読み解ける点は二つ。一つは、できないことは弱みではない、見方を変えれば強みになり得るということ。もう一つは、企業というのは真似するのが苦手ということ。
 アサヒビールが生ビールで、業界トップのキリンビールを猛追した。キリンビールの主力商品はキリン一番搾り。圧倒的な販売量を誇るキリンビールに対して、アサヒビールはコストの点で不利である(規模の経済)。そこで、アサヒビールが選んだ競争軸は、「新鮮」である。そのために生ビールにこだわり、「ビールは出来立てがうまい」というキャンペーン(製造から3日以内に出荷する)を行っている。「新鮮」という競争軸上で、キリンビールが勝負しようとすると、生ビールでないキリン一番搾りを否定せざる得なくなる。また、製造から3日以内に出荷しようとしても、キリン一番搾りはその製造量の大きさ故に難しい。つまり、キリンビールは、一番搾りという強み商品故に、「新鮮」という競争軸では戦えないのである。

まとめ

 トップ企業と自分たちとの差異を弱みと考えずに、強みとなるような競争軸をみつける。企業というものは、競争軸が変わった時には、従来の強みを捨てれないため、トップ企業であるほど逆転されやすくなる。
 本書の考え方は、「ブルーオーシャン戦略」と同じと言えよう。新しい競争軸をどうみつけていくか、その手順については「ブルーオーシャン戦略」でよく整理されている。
 社内で戦略を検討するためのプレゼン資料を作る場合は、本書の豊富な事例と、「ブルーオーシャン戦略」に記されている検討手法が役に立つ。例えば、以下のようにプレゼン資料を作ることができる。
 
プレゼン目次

  1. 戦略検討の考え方(競争軸を変えることでトップ企業のシェアを奪う)
  2. 他社事例(本書に掲載の事例を紹介)
  3. 具体的な検討手段(「ブルーオーシャン戦略」の検討手段を紹介)
  4. 検討チーム提案
  5. 検討スケジュール