kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



震災がオール電化住宅に与える影響、厳しいのは夏だ

  今回の東日本大震災で、福島原発がダメージを受けた。このため電力需要を満たすことができなくなり、東京電力計画停電を実施している。先日書いた日記で、停電よりも節電が大切であり、この節電の観点からオール電化住宅は大変である、と書いた。http://d.hatena.ne.jp/kota2009/20110318/1300441447
今日はもう少し詳細に書いてみる。

  現在の東京電力の供給能力は約3400万KW*1である。これに対して、3月17日のような寒い日になると暖房用の電力が増えるため、計画停電を実施しても需要が供給能力を超えそうになる。このため、停電が起こっていない地域でも暖房を緩めたり、電灯を消したりして、東京電力管内が大停電になることを回避した。そんな状態でIHクッキングヒータを使うことは常識的にはできないだろう。

 さて、東京電力管内の例年の電力需要を見ると、冬で4000万KW程度で、夏は6000万KWです。圧倒的に夏のほうが電力供給能力が足らない。夏までの4カ月で福島原発が稼働することは全く期待できないので、夏場には電力が圧倒的に不足します*2。よって、夏場には今以上の節電の呼びかけが行われることが予想できます。そんな中で、IHクッキングヒータを使うのは、気持として厳しいと思う。


追記
 「オール電化住宅、普及裏目…原発2基分の消費増」という記事が出ています(2011年3月23日付け、読売新聞がおおもと)。

 東京電力が、給湯や調理などすべてを電気でまかなう「オール電化住宅」の普及を推進してきたことが、今回の電力不足に拍車をかけている。

オール電化住宅で考えなければいけないのは、停電対策ではなく節電対策である。

追記
エコキュートは電気代が節約できるという話は、今回は関係ないと思っています。エコキュートの特徴は

  • 夜間電力を利用するので、電気代が安い
  • お湯を沸かす効率がとてもよい

ですが、電気代でなく電気の節約を考えると、夜間電力利用は筋から外れますし、お湯を沸かす効率の議論は夏場には無視して良いかなと思っています。

追記3
電気とガスのどちらが災害に強いか?という点についてまとめてみました。
http://d.hatena.ne.jp/kota2009/20110327/1301177808

追記4
東京電力の支援問題で、発送電分離が叫ばれています。発送電分離についてまとめてみました。
http://d.hatena.ne.jp/kota2009/20110516/1305513005

追記5
原子力発電所を稼動できない状況が強まっています。もし、原子力発電所が全部停止すると電気の深夜割引がなくなる可能性について、まとめてみました。
http://d.hatena.ne.jp/kota2009/20110614/1308004360

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*1:http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110321k0000m040034000c.html

*2:現在止まっている火力発電所を稼働させても680万KWを補うにとどまります。http://ameblo.jp/kazue-fujiwara/entry-10835236187.html