「心を鍛える言葉」は、スポーツ選手のコーチが選手のモチベーションを上げ、自信を持たせるために書かれた本である。しかし、書かれている内容は、スポーツ選手だけでなく幅広い分野に使える物である。
モチベーション(意欲)を下げる原因を、他人あるいは自分によるネガティブな言葉と著者は考える。他人からのネガティブな言葉に対抗するためには、そのネガティブな言葉をポジティブな言葉に言い換えるセルフトークが有効である。一方、自分でネガティブな思考に陥るのは、いわゆる自動思考が原因であり、自身の客観視が有効である。客観視に関しては、本書では詳しく述べていないが、「考えない練習」が客観視について詳しい。
自信をつけるには、セルフイメージを大きくすることが大切だと著者は述べている。このセルフイメージを大きくするためには、小さな目標を多数設定し、その目標をクリアする経験をつけていくことが大切である。その目標設定の方法として、SMARTとWish Listを紹介している。
また、「前後裁断」(過去を悔やむのをやめ、未来を心配するのをやめ、今この瞬間に手中する)という言葉が紹介されている。この言葉は、「道は開ける」でデールカーネギが「一日の区切りで生きる」と述べたことと同じである。
- 作者: 白石豊
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