kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



属人的な能力と成果主義

 最近、友人が「アウトソーシングしていたものを内製化に戻している。ただし、人が減っているので仕事の情報を共有する暇がなく、仕事が属人化してきている。このため、人の異動が難しくなっている。」と言っていた。経費削減のために仕事の一部をアウトソーシングしたものの社内の人件費が下がった(一人の人間の仕事量が増えた)ため、少しでもカスタマイズが必要なものは内製化の方が安くなっているようだ。ここで、問題なのは、仕事が属人化する、つまりその人しかできない仕事というのが増えていくことである。
 会社組織というのは、部長や課長といったロール(役割)を誰かが果たすことで成り立っており、そのロールを果たす人材が常に存在することが必要だ。一方で、仕事の属人化は仕事をロールから人へ移動させる。さらに、最近定着した成果主義は、仕事の属人化を進める方に働く。属人化が進んだ結果、人材の流動性は乏しくなり、組織が硬直化する弊害をもたらす。
 属人化して良い職種は、デザイナーなどのごく一部である。すなわち、1,2か月程度の短いプロジェクトで仕事が回り、プロジェクトを進めるにあたって過去のプロジェクトの体験が参考にならない、そんな仕事は属人化して良いし、成果主義で良い。この属人化に相性の良い職種は、フリーランスとも相性が良い。これらは、組織を回すための職種ではないためだ。