kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



「そうか、君は課長になったのか。」は、究極のワークライフバランス力の本

 著者の佐々木常夫氏は、ワークライフバランスの達人である。

自閉症の長男に続き、年子の次男、年子の長女が誕生。初めて課長に就任した時、妻が肝臓病に羅漢。うつ病も併発し、入退院を繰り返す(現在は完治)。
すべての育児・家事・看病をこなすために、毎日6時に退社する必要に迫られる。そこで、課長職の本質を追及して、「最短距離」で「最大の成果」を生み出すマネジメントを編み出し、数々の大事業を成功に導く。

 課長職の本質という考え方が面白い。”仕事の本質”を考える人は多いが、”職の本質”を考える人は少ない。佐々木氏の考える”課長職の本質”とは、

  • 課の経営方針の策定と遂行状況のチェック(方針策定)
  • 部下の直面している現実を正しく把握し、その仕事のやり方を指導し、組織全体を最高の効率にもっていく(部下の監督と成長)
  • 自分の課で起こっていることを経営に的確に報告するとともに、経営の意思・目標を課全員に的確に伝える(経営てお現場のコミュニケーション)
  • 社内外の関係者を自分の目標通りに導いていく政治力(社内外の政治力)

 この本質を追及するために、とるべき行動を、部下に向けての行動と、上司に向けての行動とにわけて記してあります。

 部下に向けての行動では、部下の仕事を減らしてあげることを目的にしています。そのために、部下の全ての仕事に納期と優先度をつけてあげる。これによって、3割は仕事が減ると著者は述べています。

 また、上司に向けての行動では、上司を味方につけて社内政治に勝てと著者は言います。社内政治に勝つとは、自分の部下を昇進させることに注意を払うことです。自分の部下を(他の課の人間よりも)昇進させることが、社内政治だという考え方は、印象深い。

 本書には、”仕事の進め方10か条”も記されている。これは、著者が部下に要求した仕事の進め方が記されている。

自己主張の明確化
 自分の考え方、主張は明確に持つとともに、他人の意見をよく聴くこと。自分の主張を変える勇気、謙虚さを持つこと。

10か条の中でも、これは興味深い。部下に自分の主張を明確に持てという課長は少ない(口答えするなという課長は多いが、、)。

最後に

 最後まで読んでいただきありがとうございます。
 この本の中で、私の一番気に入った部分は、以下です。みなさんの課長がこういうことを言ってくれないとしたら、仮想的に佐々木課長がいると思ってこの言葉を自分に行ってあげてください。

自己主張の明確化
 自分の考え方、主張は明確に持つとともに、他人の意見をよく聴くこと。自分の主張を変える勇気、謙虚さを持つこと。

 また、本書を読んで、マネージメントの究極の姿は、部下を定時に帰らせる組織を作ることではないかと思いました。

そうか、君は課長になったのか。

そうか、君は課長になったのか。