勝間和代が空・雨・傘と言ったのは、空をの様子という事実から、雨が降るという仮説を立て、傘を持っていこうというアクションにつなげるという意味。また、PACとは、何か結論めいたことを言ってしまった際に、その背後に潜む仮説に気づきそれを検証しなさいということ。例えば、TVでヒアルロン酸がお肌に良いという番組を見て、薬局に買いに行ったとすると、その背後にはTV番組で流れた情報は正しいという仮説がある。
このように、様々なビジネス書で様々な言い方がされているが、これらが共通に言っていることは、"仮説"である。問題発見力の根底にあるのも”仮説”力である。
コミック「デスノート」で探偵ニアが『捜査というのは 決めつけてかかり 間違っていたら「ごめんなさい」でいいんです』と言った。網羅的に証拠を集め分析することで容疑者を浮かび上がらせていくそんな操作ではなく、犯人をあいつだと決めつけそれを立証するに足る証拠を集める、あるいはゆさぶりをかけて犯人であることを検証する、そんな乱暴な方法で良いのだとニアは言っている。ここでいう”決めつけ”が仮説である。
本書では、まず仮説を立ててからデータを集めることを勧めている。データを集める前に仮説を立てる。仮説を検証するためにデータを集めることで、データ収集・分析にかける時間を圧倒的に減らすことができる。つまり、仕事が圧倒的に速くなる。
ポイントは、「気持ち悪くても結論から考える」こと。例えば、次の長期連休に遊びに行く旅行先を決めるときに、大抵の人はパンフレットを集めてきて比較検討して行き先を決める。そうではなくて、カナダのトロントに行くと決めてしまう。そうして、トロントに行くための費用や所要時間、現地での時間の過ごし方を調べて行く。そのなかで、予算がオーバーであるならば、いくらならば自分が出せるのか自問自答して、予算を固める。そして、その予算の範囲内でいける場所の中で、旅行先をまず決める。こうすることで、圧倒的に短時間で旅行の計画を決めることが出来る。
この本の秀逸なのは、仮説を立てる力をのばすための手法についても述べている点である。何かニュースを見たら、それは何故か? と考える そして それは未来にどう影響するかを考える この2点を心がけることで仮説を立てる力が伸びるのである。
- 作者: 内田和成
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2006/03/31
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- 作者: 内田和成
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