kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



成田空港はどこに行く?

 NHKの首都圏ニュースを見ていると、成田空港の苦戦が報じられていた。成田空港の今後について考えてみる。

成田空港とは

 千葉県成田市にある空港である。東京・神奈川に住んでいる人ならば、すごく遠い場所にある空港という印象があるだろう。東京駅から成田空港まで、リムジンバスで2時間弱という遠さである。新幹線に乗れば東京駅から京都駅までいける時間だ。また、羽田空港から成田空港までの移動は、リムジンバスで100分かかる。蛇足だが、私が成田空港から海外への飛行機で隣り合わせた人は、博多空港から羽田空港へ飛行機で移動し、羽田空港から成田空港へリムジンバスで移動したと言っていた。「羽田空港から成田空港への移動が無茶苦茶遠かった。」という言葉が印象的だった。
 このように不便な場所にある成田空港は、旅行客にとって不便な空港なのだ。さらに、成田空港は近隣住民への騒音の配慮から夜は飛行機を飛ばせないことになっており、航空会社にとっても不便な空港となっている。

航空路線と空港

 海外旅行に行ったことのある人は、飛行機には直行便と乗り換え便があることをご存知だろう。JALANAなどの航空会社は、全ての空港を直行便で結ぶと路線数が増えて採算が合わない。例えば、空港が100あるとして、全てを直行便で結ぶと、路線数は4950と膨大な数となる。そこで、ハブ&スポークという路線形態をとる。つまり、ハブ空港としていくつかを選び、そこから乗り換え便を飛ばすことで路線数を減らすのだ。例えば、空港が100あるとして、この中でハブ空港を4つ設定し、各ハブ空港が24空港へつなぐ路線を設定すると、路線数は 102(=24*4 + 4*3/2)で済む。
 これを空港の立場で見ると、ハブ空港は、多くの飛行機が発着するため多くの空港使用料を稼ぐことができる、ということである。

国際線のハブ空港としての成田空港

 昔は、成田空港は、外国人旅行客が他のアジアへの乗り換えに使うハブ空港だった。現在は、韓国の仁川国際空港がアジアのハブ空港として地位を獲得している。
 成田空港がハブ空港でなくなると、成田空港を利用する旅行客は、海外から日本国内へ移動する(つまり、国際便から日本国内便へ乗り換える)旅行客ということになる。

国際便と国内便の乗り換え空港としての成田空港

 国際便から日本国内の国内便への乗り換え空港として成田空港を見ると、羽田空港に見劣りする。上で述べたように、場所が不便であるためだ。また、関西空港と成田空港を比べてみると、24時間飛行機を飛ばせる関西空港の使い勝手が勝る。私自身、羽田空港から国内便で関西空港へ移動し、関西空港からオーストリア便に乗り換えたこともある。夜遅い便に乗ろうとすると、関西空港になるのだ。

まとめ

 成田空港の先行きが不安だ。国際線のハブ空港として見ると、韓国の仁川国際空港に押されている。一方、国際線と国内線の
乗り換え空港として見ると、関西空港羽田空港に勝る点が見当たらない。
 あり得るシナリオとしては、

  • シナリオ1:成田空港は衰退し、羽田空港関西空港が国際線の主役となっていく
  • シナリオ2:成田空港が思い切った施策(離発着料を大幅に下げる、24時間空港として利便性を上げる等)を行い、アジアの国際ハブ空港として地位を獲得する
  • シナリオ3:国の航空行政として、羽田空港関西空港の国際便の発着数を制限し、成田空港に国際便を融通する。

 上のシナリオ3は、国際線のハブ空港として日本の空港を使う航空会社はなくなるため、日本の全ての空港が稼ぎを減らしジリ貧になる可能性が高い。そのため、シナリオ1あるいは2が現実的と言えそうである。