植物を育てるとき、「土は、排水性が良くて、保水性が良くて、保肥力の良いものを選んでください」と必ず言われます。
ところで、この排水性ってなんでしょう?保水性ってなんでしょう?
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排水性とは
植木鉢に水を目いっぱい注ぐと、鉢底から水が漏れてきますよね。この鉢底からの水の漏れやすさが排水性です。
私の使っている6号鉢に目いっぱい水を注いだときの重さの変化を測ってみました。水を注いだ直後は2,040gの重さでしたが、鉢底から水が漏れていき、1分後には1,784gになり、2分後には1,763gとなりました。そして鉢底から水が漏れなくなった30分後には重さ1,706gでした。
この重さの差 277g(=2,040-1,763)は、土が保持せずに排水された水の量で、この多い・少ないが排水性です。
排水された水の分だけ空気が土の中に入ったことになりますから、この場合、277ccの空気が土に入ったことになります。排水性の良い土は、根が多くの酸素を吸えるため根腐れしづらくなります。
保水性とは
鉢底から水が漏れなくなった後は、植物の根から水分が吸収されて鉢が軽くなっていきます。この軽くなった量の多い・少ないが保水性です。
保水性の良い土は、根の吸える水分量が多いため、水枯れしにくくなります。
排水性と保水性のどちらが大切か?
排水性と保水性は両立が難しい特性です。では、どちらが大切なのでしょうか?
プロの使っている土はかなり保水性重視です。それは、排水性を優先すると、水やり回数が増えて作業効率が下がるからでしょう。ただし、水やりタイミングは難しくなりますので、技術が必要になってきます。例えば、バラ農家の使っている土は、私から見るとびっくりするくらい排水性が悪いです(また、バラ農家の中には、大苗を水田で育てるところもあるくらいです。確か「バラの家」も水田だったと思います。)。
一方で排水性を重視すると、根腐れで枯らすリスクは減りますが、水切れで枯らすリスクが高まります。
結局は、植物の育てる人夫々が、どんな土を得意とするかという得手不得手の問題です。
補足
ところで、排水性と保水性のどちらを重視した方が、植物が良く育つでしょうか?
実は、植物が良く育つ土というのは、排水性・保水性では決まりません。そうではなく、固相・液相・気相の割合で決まります。一般に、固相・液相・気相が4・3・3の割合のとき植物は良く育ちます。*1