kotaの雑記帳

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映画「ラストマイル」の感想(レビュー):シェアード・ユニバースという企画に注目

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 映画「ラストマイル」を見ました。最後まで謎解きが続き、緊迫感で観客を引き込む面白い映画でした。特に最後の謎の真相は、意外で少し悲しくて切ないものでした。TVドラマ「アンナチュラル」、「MIU404」が好きな方は、これらとこの映画は世界観が共通しており、必見です。

 

あらすじ

「ラストマイル」は、世界規模のショッピングサイト「DAILY FAST」の関東配送センターで起こる連続爆破事件を描いています。ブラックフライデーの前夜、配送された段ボール箱が爆発し、日本中を恐怖に陥れる連続爆破事件へと発展します。新センター長の舟渡エレナ(満島ひかり)とチームマネージャーの梨本孔(岡田将生)は、事件の収拾に奔走する中で、犯人の正体や動機が次第に明らかになっていきます。

 

特徴

  1. シェアード・ユニバース: 映画と同じ塚原あゆ子監督&野木亜紀子脚本の人気TVドラマ「アンナチュラル」や「MIU404」と同じ世界観を共有しており、これらのドラマのキャラクターも登場します。さらに、これらのドラマも現代の社会問題を扱っており、共通のテーマを持つ点が特徴です。
  2. 社会問題の描写: 物流業界の過酷な労働環境や、ブラックフライデーセールの影響など、現代社会の問題をリアルに描いています。
  3. 豪華キャスト: 満島ひかり、岡田将生、石原さとみ、星野源など、多くの人気俳優が出演しています。

 

感想

 ショッピングサイト「DAILY FAST」がその描写からAmazonを彷彿させます。そして、マネージャーたちへ、権限移譲と信賞必罰が徹底され、競争原理の下でハードワークを強いられていることが描かれており、その狙いが利益向上であることを示唆するシーンが多い。これは、アメリカ型の働き方を皮肉っていると感じました。

 また、「カスタマーセントリック」と行動指針を掲げながらも、経営陣は利益至上主義的な行動をとっており、いわば「利益セントリック」で行動している様子も、皮肉が際立っています。

 これらは、資本主義という利益を優先する経済システムへの警鐘とも感じました。そして、映画中に度々流れる”What do you want?”(あなたは何が欲しいの?)というセリフは、我々庶民が欲望を刺激されていることの風刺なのだと思います。

 

あとがき

 アンナチュラル、MIU404、ラストマイルと共通する世界観で映画を作る手法が、興味深いです。最近、リメイク映画も多い中、狙ってある程度のヒットを見込める映画企画の新しい制作スタイルとなるかもしれません。

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