はじめに
ホームセキュリティって必要なのかな? と迷う人は多いと思う。ここでは、まず犯罪被害の分析をし、そこからどんな家が被害に遭いやすいのかについて述べる。そして、ホームセキュリティの必要な家、不要な家についてまとめる。
犯罪分析
平成23年度の警察白書の図1−12に侵入犯罪の統計データがあります。これによると平成22年度の侵入犯罪は、次の通りです。
件数 | 割合 | |
侵入強盗 | 1,680件 | 1% |
---|---|---|
侵入窃盗 | 136,552件 | 85% |
住居侵入 | 22,027件 | 14% |
このように侵入窃盗(空き巣)が圧倒的である。このため、以降は空き巣に焦点をあてて分析を進める。上記の侵入窃盗のうち住宅対象の犯罪が74,558件であり、これに対する分析を日本防犯設備協会が提供している。これによると、
- 侵入手口は、ガラス破りと無締り(カギ締めなし)が合わせて約80%
- 侵入をあきらめる時間は、5分以内が68%、10分以内が90%を超える
このことから、空き巣の泥棒は、さっと侵入してさっと逃げようとしていることが推測できます。考えてみれば、泥棒にとっては
- 侵入する家は選び放題である
- 侵入するまでその家に現金がいくらあるかは、分からない
ですから、なるべく捕まるリスクの小さい家を泥棒は選ぶと言えましょう。
泥棒に狙われる家
上を踏まえると、泥棒に狙われる家というのは、以下だと言える。
- 人目につかないところに侵入経路(ガラス窓等)がある
- 留守がちである
常に誰かが在宅の場合は、ホームセキュリティの必要性はあまりない。一方、共働きのように留守の時間がはっきりしている場合は、人目に付かない侵入経路がないかチェックする必要がある。例えば、通りから身を隠せる場所に窓がある場合は、ガラスを破られ侵入される可能性が高い。
ライフスタイル(共働き等)や住居の構造(窓の位置等)を変えるのは、なかなか難しいため、ホームセキュリティの導入を検討するのが良い。
ホームセキュリティは有効か?
ホームセキュリティの仕組みは、泥棒が住居に侵入するとセンサーがこれを検知し、警備センターに通報、警備員が住居にやってきて状況を確認するというものである。例え、ホームセキュリティの警備員が泥棒を発見しても、泥棒を取り押さえたりせず、警察に通報するだけである。
この仕組みにがっかりする人もいるかもしれないが、泥棒にとっては侵入が検知されてすぐ誰かが現場にやってくるということ自身が嫌なのだ。そんな家に侵入するくらいなら別の家を泥棒は狙う。つまり、ホームセキュリティの効果は泥棒に対する抑止力である。このため、ホームセキュリティを導入すると、ホームセキュリティを導入していることを示すシールを家に張るような仕組みになっている。
蛇足ではあるが、たくさんあるホームセキュリティ会社のなかからどこを選ぶか迷う人もいるかもしれないが、結論から言えばALOSKかセコムにした方が良い。それ以外は、会社が小規模で警備員の質にムラがある。一方、ALSOKとセコムは、警備員の管理の仕組みがしっかりしている。
まとめ
ホームセキュリティの効果は、抑止力である。泥棒は多数ある家の中で、守りの甘い家を狙う。ライフスタイルや家の構造的に、守りが甘い場合には、ホームセキュリティの導入を検討すると良い*1。
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*1:逆に言えば、お隣がホームセキュリティを導入していると、泥棒からはあなたの家が狙われるかもしれない。