kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



E-P3にワクワクする

 昨日、E-P3が売れているらしいという日記を書いたこともあり、E-P3について調べてみました。

 オリンパスフォトフェスタセミナーの内容を見ると、オリンパスからのメッセージは非常に明確である。

再現と表現

 カメラの本来の目的は、正確な画像の記録である。つまり、風景の正確な再現が本来の目的である。この目的に向けて、低ノイズ、高解像度、高感度、を各社は目指している。ところが、オリンパスがペンで目指しているのは再現ではなく表現だというのだ。
 例えば、旅行に行って旅先の風景に感動して、シャッターを切る。でも、家に戻って写真を見ると、なんだかパッとしない写真になっており、家族や友達にその写真を見せても旅先での感動が伝わらない。そんな経験はないだろうか?
 旅先で見たものと正確に同じ風景を見せても(再現しても)、人は感動しない。自分の感動を表現することが必要なのだ。表現というのは、絵を描くのと同じ、一種のアートと考えて良いだろう。
 オリンパスは、ユーザの表現のツールとしてペンを使って欲しいとメッセージを出している。表現しろと言われても一般の人は困るであろう、それを補助するツールとしてアートフィルタを用意しているとオリンパスは言う。
 言い換えれば、記録として写真を撮るのではなく、感情を含めた記憶として写真を撮って欲しいというメッセージがペンにこめられている。

便利と上質

 便利なデジタルカメラを作るのはパナソニックやカシオが上手である。ユーザのニーズを的確に把握して、数値スペックの高い製品を出してくる。例えるならば、五徳ナイフのような全てのユーザの全ての場合に対応できる製品である。一方、プロ用の料理包丁は、ただ切れ味のみを追求し、重いしすぐ錆びるし欠点を挙げればきりがない。しかし、必須でないものをそぎ落とした機能美がそこにはある。これは、上質であると言い換えることもできる。
 オリンパスのペンに込めた二つ目のメッセージは、そういった機能美である。オリンパスが必要だと思うものそうでないものを仕分けし、必要なものに思い切ってコストをかけ、そうでないものはバッサリ切り落としている。オリンパスの価値観に基づいた機能美と上質、これがペンに込められているメッセージである。

まとめ

 オリンパスが自分たちの価値観を信じる姿勢は、スタジオジブリにも通ずるものを感じる。こういったわがままなメーカは、個性的な製品を出すことができる。きれいな写真を撮りたい人でなく、ワクワクする写真を撮りたい人にこそ、ペンは向いている。こういうカメラで写真を撮ると、楽しいんだよな。。

追記

 このエントリを書いてから、電気屋に行ってE-P3を触ってきました(平日だけあってゆっくり触れました)。すごく良かったです。デジ物好きな人ではなく、機械好きな人に向けてのカメラだなって思います。デジ物は発売から半年も経てば陳腐化して別の新しいものが欲しくなる。それと比べ、機械物は、例えば機械式腕時計は、月日が立つほど愛着が増し、50年前の時計が手放せなくなる。E-P3は、こんな機械物としての作り込みがされているカメラである。みなさんも、E-P3を是非触って欲しい。20年後も部屋にE-P3を飾っている姿を思い浮かべることができる筈だ。