大飯原発が再稼働を行い、昨日発電を再開した。原発再稼働の是非がまた叫ばれそうなので、いい加減論点を整理しておく。
原発なしで電気は足りるのか?
電気が足りる・足りないについては、短期的な視点と長期的な視点の二つで議論が行われている。
まず、短期的(例えば今年の夏の電気は足りるか)については、分からないというのが実際のところだと思う。まぁ、お天気次第というか、暑い日が続けば足りないだろうし、涼しい日が続けば足りるだろう。よくTV番組で、電気は足りるはずなのに関電はウソをついているというコメンテータを見かけるが、まったくナンセンスだ。電力需要の予想は大きな誤差を伴うからだ。
一方、長期的(例えば20年後)に原発なしで電気が足りるかについては、分かるわけがないというのが正直なところだ。楽観的には再生エネルギー技術が開発されて原発なしでも電気が足りるようになるという人もいるが、いったい何を根拠にそんなことを言っているのか不思議だ。
経済を優先して原発を動かすのはやめて、という意見について
経済界からの要請で原発を動かしている。つまり、電力が不足すると経済がダメージを受けるので原発を動かすのはおかしい、という人がいる。この意見については、経済をどれだけ無視するかの程度について議論されていないのが不思議だ。
極論すれば、電車や自動車などすべてを止めれば(つまり、明治・大正時代に戻れば)原発は不要なんだけど、そこまで経済を無視して良いとはだれも賛成しないだろう。経済と安心・安全は生活は密接に結びついている。なので、安全のために原発を止めろというのは、乱暴な意見だと思う。
「厳寒の北海道と今の自分を他人事にしない」も参考に読んでほしい。