「パナソニック、TV事業を大幅縮小 プラズマ撤退へ」 (日経新聞)という記事が出ていた。この記事から読み取れる事実は
- パナソニックは、プラズマディスプレイの生産をやめる
- パナソニックは、TV向けの液晶ディスプレイの生産を減らし、外部調達の割合を増やす
どうも、ニュースタイトルの「TV事業を大幅縮小」を見ると、TV受像機の生産・販売を減らすような印象を受けるのだけど、そうではないらしい*1。
この記事の中で注目すべきは
プラズマテレビは主力の尼崎工場(兵庫県尼崎市)でのテレビ用パネル生産を、14年度をメドに終了する方向で調整している。尼崎工場には生産棟が3つあり、設備については11年度までに大半の減損処理を実施済み。
残る建屋についても最大で900億円規模の減損処理が必要となる見込み。
ここで”減損処理”という言葉が分かっていないと、パナソニックの実態を見誤ることになるので、注意が必要だ。建屋などの設備は、通常その価値が毎年少しずつ減ると考えて会計処理を行う。一方、”減損処理”とは価値が一気に減ったものとみなして会計処理を行う。どちらも帳簿上のことで実際の儲かってるか儲かっていないかには関係ない(正確には、商売が儲かっていないときにだけ減損処理ができる)。
今年度パナソニックの最終損益は巨額の赤字ですが、別エントリの「パナソニックは7650億円の赤字予想、営業利益は1400億円の黒字予想、結局赤字なの?黒字なの?」で書いたように、営業利益はしっかり黒字です。そして、来年度も上記の尼崎工場の減損処理で赤字になる可能性が高い。しかし、営業利益は黒字にしてくるでしょう。
このように考えると、パナソニックの津賀一宏社長は、営業利益が黒字にも関わらずガンガン構造転換を進めているように見えます。おっかない社長だ。。
*1:わざと誤解させる表現を狙ったんじゃないかと、邪推したくなる。