kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



スマートフォンの拡大とビジネスモデルの変化

iPhoneを武器にソフトバンクモバイルが加入者数を伸ばしたことに対抗するために、NTTドコモauAndroidを中心にソフトフォーンの新モデルを続々と投入し始めている。各社がスマートフォンを投入したことで、携帯電話キャリアがまた横並びに戻ったように表面上見える。しかし、スマートフォン携帯電話キャリアの収益に大きなインパクトを与えるように感じる。
例えば、NTTドコモの営業利益率は20%前後で推移しており*1、他の業種の会社から見ると、「儲かってるなぁ」というのが正直な印象だろう。では、何故、携帯電話キャリアはこんなに儲かるのかを考えてみると、i-modeのような情報サービスに秘密がある。i-modeとは、ユーザから見ると携帯電話のインターネットみたいなものだが、実は料金回収代行サービスである。つまり、ユーザが情報サイトから有料サービスを受けると、その代金はNTTドコモがユーザから回収し、情報サイト運営者に支払っている。このため、ユーザが情報サイトから有料サービスを買うと、NTTドコモとしては料金回収の手数料とパケット代の両方が懐に入る。
さて、スマートフォンをユーザが使っている時、アクセスするのはPCと同じサイトである。つまり、スマートフォンで何かを購入するとき、PCの場合と同様クレジットカードの番号を入力する必要がある。この料金決済にNTTドコモは関わることができないので、その手数料を得ることができない。
料金代行サービス以外にも、例えばauLISMOのようにサービス自身を携帯電話キャリアが行っているものもある。これも、iPhoneになれば、ユーザはiTunesで音楽を買うようになり、これまでauに払っていたお金をアップルに払うようになる。
携帯電話キャリアガラパゴスと呼ばれながらも、自分自身が抑えている課金プラットフォームやサービスによって大いに儲けてきた。これがスマートフォンに変わると、ユーザは、amazonやアップルにお金を払うようになり、携帯電話キャリアは収益の柱を失うことになるのだ。
携帯電話キャリアの逆転のチャンスは、androidNFCをサポートしようとしている流れを先導し、NFCによる決済サービスに入り込むことしかない。各社の動向を注視していきたい。