kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



構図が分かれば絵画が分かる、そして写真も分かる

 写真の構図の勉強の第一歩は有名絵画の構図を真似ることからです。どこかのカメラ雑誌にこんなことが書いていた。それ以来、美術館へ足を運ぶようにしているだが、全く絵というものが分からない。そのせいか、写真の方も構図というものがさっぱり分からず、カメラ雑誌の写真の講評を読んでも、どうも講評というものは抽象的で良くわかりません。
(例えば、以下はGANREFより http://ganref.jp/m/noriki23/portfolios/photo_detail/a2127d847adeafd75ac0f4d09f68ad25)

あでやかな宵の桜をモチーフとして、京都の祇園白川の春の風情を写しとった作品です。この作品で目をひくのはやはり桜です。しかし、背景に写し込まれた割烹のにぎやかさが、この作品を上質にしているのです。

「構図が分かれば絵画が分かる」(布施英利著)は、絵画の構図というものをステップを踏んで解説している。まずは「平面」に置かれた点と線の配置について解説し、次に「空間(3次元)」を表現するための遠近法について解説し、さらに「時間」の表現を加えた4次元の表現へと解説は進む。そして、「光り」「色」の配置と効果について平易な解説が行われる。
 本書の中で、「名画はピンボケになっても美しい」という節が設けられており、ものの形や質感をわざと失くすことで、構図ならではの美しさを説明している。確かに、本書で例示されている「聖アンナと聖母子」(レオナルド・ダ・ビンチ)は、ピンボケさせて形状をはぎ取っても美しい。普段写真を撮るときに、ピントの正確さや解像感を求めることが多い私には、思いがけない解説であった。ファインダを覗き構図を決めるとき、全体をボヤーと見てこれから撮ろうとする絵が美しいか考えることも大切ということだ。

構図がわかれば絵画がわかる (光文社新書)

構図がわかれば絵画がわかる (光文社新書)