kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



ソニーはどこへ行くのか?

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 最近の株が急速に高くなったり、でも昨日は一気に株価が下がったりで、経済ニュースが騒がしい。そんな中で、ソニーにいろんな意味で注目が集まっている。注目点の1つ目は、投資ファンドのサードポイントが、ソニーのエンターテイメント部門の分離を提案したこと、二つ目は家電事業がずっと不調でこれをどう立て直すかその戦略が気になること、三つ目はソニーの金融事業は大変好調で家電事業との温度差が激しいこと。

(ソニー決算資料より)
 
 一つ目のエンターテイメント部門(上図の黄色四角枠)の分離は、儲かっており今後伸びる部門をスピンアウトするというアメリカファンドらしい提案だと思う。ここで問題は、この部門を分離した後の残りのソニーがやっていくのが難しそうということである。ソニーの経営者は家電部門とエンターテイメント部門のシナジー効果を狙っていると説明しているが、普通に考えれば儲かっている部門を分離すれば経営体力がなくなるという方が懸念であろう。

 二つ目の家電事業の再生に関しては、特効薬はない。かつてのウォークマンのようなヒット商品が出るのを気長に待つというのが実際の所だと思う。ヒットは狙って打てるものではなく、たくさん打ってみてその中のいくつかがヒットになるというギャンブルであるためだ。

 三つ目の金融部門(上図の紫色四角枠)が儲かっていることは悪いことではない。時代の流れとともに業態を変えていくことは優れた経営だ。IBMが昔は「計り」を作る会社だったが、それをコンピュータを作る会社に変化し、今はSIの会社へと変化している。ソニーだって昔は家電の会社だったが今は金融の会社になったて良い。例えば、「ソニー「何の会社か分からない」 社員 自嘲気味」(東京新聞)のような記事が出るのは、日本人全体に家電産業に思い入れがあるためだろう。この「思い入れ」がソニーに注目を集めさせている。

 さてソニーは今後どうすべきなのだろうか? 株主はソニーに儲けて欲しいだろう。一方ドラッガー先生が言っているように、企業にとって利益は目的ではなく制約条件である。また、スターバックスが言うようにビジョン(つまり、その会社が何をしたいか)が大切である。ソニー会社設立の目的には、以下のように書いてある。

真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設

この設立目的を守るのであれば、エンターテイメント部門と金融部門で稼いだ利益を、家電部門に注いでヒット商品を狙う、という戦略も合理的に思う。